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縦に延びる戸建~7階建の新価値(2ページ目)

2015年の相続税改正、アベノミクスと景気回復による地価上昇などを受け、併用住宅の盛り上がりを書いてきましたが、それに重なる戸建トレンドとしてあるのが「多層階」いわゆる「戸建の中高層化」。このほど工業化住宅で初めてとなる7階建てが登場。多層階にすることで生まれる経済的メリットについても紹介していきます。

河名 紀子

執筆者:河名 紀子

家づくりトレンド情報ガイド

賃貸の部屋数増加で家賃収入増

竣工現場

川崎市の施工現場を見学。川崎市のような狭小密集地では土地や空間の有効活用が問われている

同社の設計プラン案では、7階建てにすることで賃貸を5~7世帯分(うち2-3世帯はメゾネットにしてさらに家賃増を狙う)確保でき、仮に月11万の家賃相場エリアであれば、単純計算で月に50-70万円の収入を得ることができます。

また、柱が少ない構造のため将来的にコンバージョンもしやすく、世代の移り変わりで二世帯だった部分を賃貸にしたり、孫世帯と住むといった変化にも対応できるとしています。賃貸の部屋数が増えれば空室リスクも希薄化しますし、家賃収入が増えればその分を住宅ローンの返済に充てることができます。

二世帯住宅なら特例も

ビューノプラザ

川崎駅ミューザにオープンした「ビューノプラザ」。

高額になりやすい土地の評価額を抑えることができれば、相続税の軽減につながります。「小規模宅地等の特例」が適用されれば、その土地の評価額が240平方メートルまで8割減となりますが、この適用要件は「(亡くなった)被相続人と同居していた」ことと、「相続後も継続して居住している」で、これらは二世帯住宅ならより適用されやすくなります。つまり、7層あるフロアのうち1-2フロアを二世帯居住部分にすれば、土地評価額を軽減することができ、土地評価額の高い都市部でより効果を発揮するということになります。

ガレージの一部を貸す

これまで同社のビューノのワイドスパン(柱とばし幅)は最大7.2メートルでしたが、今回、立体構造解析技術を高めることで8.1メートルまで飛ばすことが可能。これにより例えばガレージであれば3台分の駐車スペースができ、1-2台分は親子世帯で所有しても残り1台分は賃貸入居者や近隣に貸出し、駐車料を取得することも可能になります。

施工期間短縮で仮住まい費用などを軽減

ビューノプラザ

プラザ内では構造構法がリアルにわかる展示もされている

今回の「ビューノ・セブン」は高級マンションの同社は位置づけています。マンションというと在来RC鉄筋コンクリート造が一般的ですが、あらかじめ工場で窓付き外壁などを生産する工業化住宅のメリットを生かし、現場作業の工数を大幅に減らすことが可能に。同社によると、計画~完成までの期間は在来RC造の半分、確認申請期間も半分の1か月程度で済み、オーナーの仮住まい費用等を軽減するメリットがあるとしています。

多層階営業拠点「ビューノ プラザ」オープン

同社では都市部の防火地域を中心に多層階戦略営業拠点として「ビューノ プラザ」を展開予定。その第一号が川崎ミューザ内にオープンしました。情報発信やカンセリング、イベントやセミナー、コミュニティづくりの拠点として、地域密着型営業を強化していく予定。2014年春の新商品商戦、早くも多層階ブームの兆しがみえてきそうです。
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