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「戸建て+α」~その事例と魅力

大手ハウスメーカーを中心に、自宅・賃貸・店舗などの併用住宅市場が盛り上がっています。消費税駆け込み反動により一戸建では各社やや苦戦を強いられている中、次なる旗手として期待されているのが、相続税対策等の切り札が使える「併用住宅」。相続税以外にもトレンド期待の様々な要因があるようです。商品事例を見ていきましょう。

河名 紀子

執筆者:河名 紀子

家づくりトレンド情報ガイド

大手ハウスメーカーを中心に、自宅・賃貸・店舗などの併用住宅市場が盛り上がっています。消費税駆け込み反動により一戸建では各社やや苦戦を強いられている中、次なる旗手として期待されているのが、相続税対策等の切り札が使える「併用住宅」。相続税以外にもトレンド期待の様々な要因があるようです。商品事例を見ていきましょう。

戸建の延長のような自宅マンション

外観

マンションの風格をもつ多目的複合型住宅「ベレオ プラス」

積水ハウスは4階建て複合型多目的マンション「BEREO PLUS(ベレオ プラス)」を発売。同社は2000年代より今回と同じオリジナル構法「βシステム構法」を採用した賃貸併用住宅「ベレオ」を展開してきていますが、今回は「マンション」と明確に打ち出しました。

日本ではマンションとは、アパートよりも大型の共同住宅(集合住宅)を表す言葉として使われてきており、一般的に構造は鉄筋コンクリート(RC造)のイメージが強い。が、同社のマンションは重量鉄骨造。工場である程度部材を組み立てられるプレハブ工業化住宅の利点を生かし、一般的なRC造中層マンションと比べて、短工期で建ちます。このため、建替え時の仮住まい費用やコスト面でも優位性をもつとのこと。構造の違いを同社はあえて逆手にとった形といえるでしょう。
内観

内廊下式やエレベーターなど、欧米のマンションのイメージを意識



あえてマンションと銘打った理由として、「従来のアパートに多かった外廊下式ではなく、内廊下式や構造の重厚さ、遮音性、耐久性いずれにおいても、マンションと呼ぶにふさわしいレベル」(同社担当者)。そもそも英語のマンションは、海外では富裕層などの豪邸などの意味で用いられることが多く、共同住宅という厳密な意味はなく、イメージに高級感があります。

あくまでオーナーの自宅が主軸

興味深いのは、日本でマンションというと、広い敷地に多くの部屋を擁し、多世帯が同居し、分譲であれば多世帯が所有する「共同住宅」のイメージですが、このマンションはあくまでオーナーの「自宅」的要素が強いところ。従来のマンションイメージにある何十~何百戸の共同住宅ではなく、あくまでオーナーの自宅や子世帯との二世帯空間があったり、趣味の店舗があったり…という「オーナー主軸の居住空間」があって、そこに賃貸や店舗が共存する、いわば「戸建感覚のマンション」であるところです。

賃貸空間

賃貸イメージ

実際、柱が内部に出ない梁勝ちラーメン構法により、家の角がガラス貼りという開放的なコーナーサッシがとれたり、通し柱が不要なため、どこも同じ部屋・間取りが並ぶフロアではなく、間取りや窓位置、プランも自由に設計可能。同社の「SLOW & SMART」思想を体現し、外の自然と内をつなぐ「スローリビング」や大開口を可能にするなど、戸建注文住宅のようなゆったり自在な空間がとれるマンションであるところもポイントです。

制限の厳しい都市において、敷地のポテンシャルを最大限に生かし。これまで戸建に多かった自宅や二世帯に加え、賃貸や店舗併用ニーズを汲み取った「注文戸建感覚のマンション」。戸建のゆったり設計、アパートの収益性、イメージとクオイリティの高いマンションの、いわばいいとこ取りをした新しい住宅形態といえるかもしれません。

次は戸建感覚の賃貸事例の見学レポートです。
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