ブックカフェの草分け的存在、小さな奇跡

アンティークのコーヒーミル

アンティークのコーヒーミル

明治通りに面した原宿京セラビルの地階に、約2500冊もの絵本が並ぶ小さな素晴らしい喫茶店がひっそりと扉を開けています。シーモア・グラス。看板は絵本作家の荒井良二さんが描いたもの。店内の壁や書架を利用したギャラリーには、荒井さんをはじめ、田村セツコさんや植田真さんの原画も常設されています。

店主の坂本織衣さんがサリンジャーの小説の登場人物から名をとってこの喫茶店を開いたのは、まだブックカフェという言葉も使われていない1996年のことでした。
かつて雑貨店で働いていた坂本さん。

かつて雑貨店で働いていた坂本さん。店内には海外の古い雑貨も並んでいます。

10人も入ればほぼ満席、一等地にありながら金曜日以外は夕方6時に早々と閉まってしまう喫茶店が、なんと18年ものあいだ根強く支持されてきたという実績は、開業した飲食店の7割が3年以内に閉店するとも言われる現代においては、もはや奇跡のようなこと。

「オフィスビルの地下にあって、働く人々がお昼ごはんを食べに来てくれるから、なんとか続けてこられたようなものです」と、優しい口調の坂本さん。手作りの玄米カレーと日替わりのごはんが好評です。
ほっとする懐かしい味わいの玄米カレー(850円)

ほっとする懐かしい味わいの玄米カレー(850円)

しかし、慌ただしいランチタイムを過ぎると、そこは深く豊かな絵本とアートの世界に没頭できる静かな楽園。不思議なほど「あ、帰ってきた」と感じるのです。子ども時代に心の底から好きだった場所、紙のページにひろがる絵と言葉の限りない宇宙に。

SEE MORE GLASSではいま、『それで君を呼んだのに』と題した忌野清志郎さんを想う展覧会が開かれています。きっかけは、ふらっとお店に訪れる竹中直人さんでした。次ページでどうぞ。
シーモアグラス店内

 

shop dadta

SEE MORE GLASS(シーモアグラス)
【住所】東京都渋谷区神宮前6-27-8 京セラ原宿ビB1F
【TEL】03-5469-9469
【OPEN】12:00~18:00、金12:00~21:00、日祝14:00~19:00
★絵本や展示をご覧になる方は15時以降をおすすめします。
【CLOSE】土曜日+臨時休
【MAP】Yahoo!地図情報
【最寄り駅】メトロ「明治神宮前」駅7番出口より徒歩2分/JR「原宿」駅より徒歩6分