ソーシャルコマースって何?
ソーシャルコマースのポイントは、従来のeコマース(オンラインショッピング)の際に、ソーシャルメディアを介して“誰か”の影響を受けているかどうかということです。さらに、この“誰か”というのも、“まったく見知らぬ不特定の人物”ではなく、ソーシャルメディアによって担保された“自分が影響を受ける人物”でなければなりません。
例えば、「誰かわからないけど、とりあえずクチコミで人気みたいだから買おう」というのは従来のeコマースですが、「いつもオシャレだなと一目を置いているAさんが、Facebookでシェアしていたリンクをクリックして商品を購入する」というのがソーシャルコマース。ここで重要なのはAさんと面識があるかないかということではなく、ソーシャルメディアでAさんのアクティビティを日頃チェックしている点と、Aさんの価値観を評価して影響を受けているという点なのです。
なぜ今ソーシャルコマースが注目されるのか
スマートフォンの普及によって、携帯電話で購買活動を行うモバイルコマースが一般化しました。スマートフォンではアプリをダウンロードするためにクレジットカード情報を登録する必要があり、半強制的にモバイルコマースに足を踏み入れることになるからです。
また、スマートフォンではFacebookをはじめとするソーシャルメディアを利用される方も多く、Facebookのアカウントでユーザー登録をしてショッピングができるソーシャルコマースサービスを実際にご覧になったことがある方もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
事実、株式会社インプレスR&Dの『ソーシャルコマース調査報告書2013』では、ソーシャルメディア利用者の74.8%がソーシャルコマースの経験があると答えたというデータが公表されており、eコマースを展開してきた事業者にとって、この取り組みは避けて通れない現況となっているのです。
ソーシャルコマースで開ける新たな市場
ソーシャルコマースでは商品の価値として、その商品が持つ機能だけでなく、周囲にある“ストーリー”が評価され、購買に結びつくという特徴があります。つまり、「商品の価値は金額ではなく、人の評価によって決まる」と言い換えることもでき、事業者にとっては、市場価格に左右されず、価格競争に陥って疲弊しなくて済む、新たな市場が開拓できるというメリットがあります。一方、ユーザーはソーシャルコマースを活用することで、1.信頼できる人の評価をふまえて、購入するかどうかを決められる 2.思いがけないアイテムと出会える という恩恵が受けられます。
1.信頼できる人の評価をふまえて、購入するかどうかを決められる
インターネットで気になるワード検索すれば、商品情報とともにクチコミを入手することはできますが、それは自分の趣味やセンスとは全然違う人が書いた情報で、本来まったく役に立たないものかもしれません。あるいは、もしかするとお店が用意したサクラが書いたものかもしれないし、お店の関係者が書いたステマかも…。
言うまでもありませんが、見知らぬ誰かのクチコミと、自分の信頼する“あの人”のクチコミでは、得られる情報の質が大きく異なります。ソーシャルコマースでは、アカウントに裏付けられた信頼できる人のクチコミを元に、購入の判断ができるというメリットがあるのです。
2.思いがけないアイテムと出会える
これまでオンラインで買い物をしようとする場合には、ユーザーが能動的に「欲しいものがあって検索する」ところから始まるのが主流でした。けれどもソーシャルコマースでは、Facebookなどのソーシャルメディアやソーシャルコマース関連のサイトを、テレビを見るような暇つぶし感覚で利用している間に、思いがけず自分の知らなかったアイテムが目に留まるという、受け身のショッピングを楽しむことができます。自分の世界を広げるきっかけにもなり、人とのコミュニケーションが始まる&深まるといった楽しみもありますよね。
タイプ別ソーシャルコマースサービス
国内外を問わず、数あるソーシャルコマースサービスの具体例を、「キュレーション型」と「プラットフォーム型」という形で、大きく二分してご紹介していきます。1.キュレーション型
ソーシャルコマースといえば、まず挙げられるのが、このキュレーション型です。モノ(商品)を軸として、ユーザーが自分のセンスでキュレーションしたり、それを見た他のユーザーがアクションしたりすることによって、ユーザー同士のコミュニケーションが生まれ、その延長線上に購買活動が生まれます。キュレーション型のソーシャルコマースサービスには、オシャレや流行に対して感度の高いユーザーが多いため、企業がプロモーションのフィールドとして活用する例も見られます。
FANCY×ISETAN
ZOZOTOWNを運営するスタートトゥデイが提供する「WEAR」は、ファッションに特化したソーシャルコマースサービスの代表例です。他にも、「Sumally(サマリー)」、「Pinterest(ピンタレスト)」、「Origami(オリガミ)」、「FANCY(ファンシー)」といったサービスがあり、サイト内で決済までできるものもあれば、商品の購入は外部サイトへ誘導されるものもあります。
WEAR
「特に欲しいものがあって探していたわけではないけれど、何気なく使っているうちに、ふと誰かがシェアしている商品が目に入って欲しくなった」。この“潜在顧客の発掘”こそ、ソーシャルコマースの本質であり、キュレーション型サービスの特徴とも言えます。
2.プラットフォーム型
プラットフォーム型とは、デジタルコンテンツやスキル、体験といった、“手に取れないアイテム”を主にCtoCで売買するプラットフォームを提供する形のソーシャルコマースサービスです。言葉だけではなかなかピンと来ないと思うので、さっそく具体的なサービスを見ていきましょう。
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いかがでしたか?ソーシャルコマースは、売買が成立するまでは誰でも無料で楽しめるものばかりですので、気になるサービスがあれば、ぜひ気軽に始めてみてはいかがでしょうか。