ユングフラウ地方で最も有名!
ヨーロッパ最長クラス、落差300mの滝、シュタウプバッハ
谷底の村、ラウターブルンネンに降り注ぐ滝 画像提供:スイス政府観光局www.myswiss.jp
氷河の浸食によってできたラウターブルンネンの谷はU字の形をしているため、U字谷と呼ばれます。切り立った崖の上から谷底に向かって合計72もの滝があり、その代表格と言えるのがシュタウプバッハの滝です。落差は約300m。1本の滝としては、ヨーロッパで最長クラスの滝になります。
シュタウプバッハの「シュタウプ」はドイツ語で「ほこり」または「塵」の意味。空中に飛散する水しぶきが、ほこりや塵に見立てられたのでしょう。崖の上から空中に飛び出た水は途中から風に煽られ、霧のようになって落ちてきます。そのため、シュタウプバッハの滝には滝壺らしきものが見えません。
谷底の村散策も!
ラウターブルンネンで途中下車のついでに、この谷底の村を散策してみましょう。登山電車の駅から村のメインストリートを谷奥に向かって歩くと、すぐに滝が見えてきます。シュタウプバッハの滝の水が、頭の上にシャワーのように舞い落ちてくるような錯覚に陥るかも。ドイツの文豪ゲーテや、イギリスの詩人ワーズワースもこの滝に大いに感銘を受け、その作品の中に記しました。
ラウターブルンネンの「ラウター」はドイツ語で「音が大きい」、「ブルンネン」は「泉」を意味します。いつも滝の音が村全体に響き渡る、谷底の小さな村。20分もあれば村の中心部を一回りすることができます。滝をバックに立つ村の教会は絶好の被写体となるでしょう。駅周辺のカフェは、登山電車待ち時間の合間に一休みする人で賑わいます。
谷はさらに奥へ奥へと続き、その先にはアルプスの白い頂が連なります。谷の最奥にある集落シュテッヒェルベルグまで続く川沿いの平坦な散策コースはいくつもの滝を見ながら歩く「滝見コース」。特に春から初夏にかけて色とりどりの花が咲き誇ります。
悪天候の後は水量がさらに増す