世界第3位の民主主義国家とは
一時もてはやされた新興国人気ですが、2013年からのテーパリング騒ぎですっかり評判を落としています。しかし、見捨てるのはまだ早い。いやむしろ、今こそ買い時ではないか?という挑戦的な記事を書きました。前回の記事で取り上げたインドは、世界最大の民主主義国家です。第2位は米国(USA)であることは想像がつきますね。では、世界第3位の民主主義国家とはどこでしょう?
それは、インドネシアです。
高度成長まっただ中のインドネシア経済
インドネシアはかつて農業と資源の国でした。しかし、1997年のアジア通貨危機以降は、大胆な経済改革により急速に発展してきました。多くの日本企業がインドネシアに工場を作っているように、自動車産業に象徴される近代的な工業が経済の推進力となっています。GDPは2001年の約1600億ドルから、2012年には5倍超の約8780億ドルへと、まさに高度経済成長を遂げてきたのです。
2013年のテーパリングショックで通貨安に
新興国を襲った米国発のテーパリングショックからインドネシアも免れることはできませんでした。外国資本が流出したことにより、インドネシアルピアは米ドルに対して10%ほど安くなり、株式市場でも3ヶ月で6%も下落しました。インドネシアに関する楽観的な見方は市場から消え去り、永い暗黒のトンネルに入ったかのような観測が相次いだのです。それも、2014年に入って状況は大きく変化しています。
インドネシアの代表的な株価指数であるジャカルタ総合指数は、2014年1~3月の間に12%超の上昇で、米ドル建てで比較すればなんと20%の急騰を実現しています。
さて、そのワケは?
実は、インドの場合と同様に、新しいリーダーへの期待が底辺にはあります。
注目される政権交代
インドネシアでは、8月には大統領選挙が予定されています。新大統領には、野党第一党の闘争民主党ジョコ・ウィドド候補が最有力と報道されています。ジョコ氏は現在はジャカルタ州の知事で、まだ公約などは発表していませんが、貧困層向けの医療無料化や労働者の賃金急騰の抑制など、みんなで改革を進めようという親しみやすさが人気の秘密といわれています。
インドネシア国民は、国内の貧困なインフラや貧富の格差拡大、腐敗した官僚制度が問題と思っているのです。インドと同様に、国の古い体制を改革することが、投資家の信認を回復するために重要なのです。
今回は、大統領選挙の前哨戦として、総選挙が行われました。予想通りに、闘争民主党が第一党に返り咲くことが確実で、ウィドド候補が大統領に選ばれる確率も高まってきました。
過度の期待先行に注意したいが
たとえ国民の期待するリーダーが大統領になったとしても、現実の改革が頓挫するようなことがあれば、インドネシアの未来も厳しいものになる可能性があります。ムードは期待先行なので、過度な楽観は禁物です。私は、慎重にかつ少しだけ勇気を持って、インドネシアへの投資を投資信託を通して実行しています。国際分散投資の一環として、世界中の株式市場で割安な株式を投資信託で買っていくのです。
ちなみに、インドネシア株だけに投資する「イーストスプリング・インドネシア株式オープン」はこの3ヶ月で21.9%の上昇で、主要な投資信託の中でトップクラスのパフォーマンスを出しています。
インドネシア株に今後も注目していきたいです!