ピアノ上達のキーポイントは「読譜力」!
ピアノ上達のキーポイントは「読譜力」!
【ピアノの基礎知識1】ト音記号とヘ音記号
ピアノには88の鍵盤があり、その中のどの音を弾くのか示すのに使われるのが音部記号で、ピアノの譜面ではト音記号とヘ音記号が使われます。■ト音記号
主に鍵盤の右半分(高音部)の音を記すために使われます。ト音記号のかたちはお馴染みだと思いますが、なぜそのような名前がついているのか知っていますか?「ドレミファソラシド」という音の読み方を、日本の音名で言うと「ハニホヘトイロハ」になります。ト音記号を見ると、記号の書き始めの線上の音はソ、つまり日本音名ではトになります。そのことからト音記号と呼ばれているのです。
■ヘ音記号
主に鍵盤の左半分(低音部)の音を記すために使われます。ト音記号と同じように名前の由来は記号を書き始める位置と関係があり、ファ(日本名ではヘ)の音と同じ線上から書き始めることからヘ音記号と呼ばれます。
【ピアノの基礎知識2】ピアノ譜(大譜表)
広範囲に渡るすべてのピアノの音を示すためにト音記号とヘ音記号を組み合わせた譜が使われ、これを大譜表と呼びます。 下の図で鍵盤と音の位置関係を確認してみましょう。【ピアノの基礎知識3】音符の種類と長さ
音の長さは、音符の形によって区別されます。譜面によく出てくる音符と長さをご紹介します。■付点音符
音符の右横に点が付いている音符を「付点音符」と呼びます。点は、それがつけられている音符の2分の1の長さに相当するので、付点音符の長さは音符の1.5倍になります。
【ピアノの基礎知識4】休符の種類と長さ
音楽は音を楽しむものですが、音のない瞬間も大切な音楽の一部です。無音の状態を表すには休符が使われ、音符と同じように休符もその形によって長さが区別されています。
【ピアノの基礎知識5】拍子記号
ト音記号、ヘ音記号の右横に縦に並び分数形で書かれた数字を拍子記号といいます。下の数字(分母)は、何音符を1拍の基本にするか、そして上の数字(分子)は1小節内にその音符がいくつ入るかを示していて、その数字によって何拍子の曲か決まります。 次は、曲調を決める大切な要素となる調性(長調・短調)についてと、楽譜の基礎を理解するために役立つガイド一押しの本3冊をご紹介します。【ピアノの基礎知識6】調号(長調、短調)
大譜表のト音記号、ヘ音記号の右横に書かれているシャープ(♯)やフラット(♭)を調号といい、その数によって曲の調性(〇長調、〇短調)がわかります。長調、短調はそれぞれ12調ずつありますが、「長調=明るい感じ」「短調=暗い感じ」という違いは聞けばわかっても、「次の曲は何調でしょう?」というような音楽のテスト問題で苦労した経験をもつ人は多いのではないでしょうか。実際、いくつ♯や♭がついていたら何調の曲なのか答えられなくてもピアノを弾くことはできます。でも、だからと言って調号を無視していいということでは決してありません!譜面を読む際には必ず♯♭がいくつあるか確認する必要があります。
調号の♯♭は、曲中のその音はすべて♯♭をつけて演奏するということを意味します。楽譜に慣れるまでは、うっかり調号を忘れて弾いてしまうことが多いものですが、最初の段階で耳が間違った音に慣れてしまうと、後で修正するのは大変になるので小まめにチェックしながら練習しましょう。
■気をつけよう!調号についてありがちな勘違い
- 調号に、シャープとフラットが混在していることは絶対にありません!
- シャープやフラットはその数が増えていく順番が決まっています。たとえば調号が♯1つだった場合、♯は必ずファで、曲によってドだったりソだったりすることはありません。♯と♭はそれぞれ、以下の順番で数が増えていきます。
♯→(ファ・ド・ソ・レ・ラ・ミ・シ) ♭→(シ・ミ・ラ・レ・ソ・ド・ファ)
【ピアノの基礎知識7】臨時記号
曲の途中で、音符の左につけて音の高さを一時的に変えるしるしを臨時記号といいます。臨時記号は、それが使われた小節内の同じ音についてのみ有効で、次の小節からはもとの音に戻ります。ガイドのおすすめ本
今回は、ピアノを弾くために「これだけは必要!」という楽譜の基本のきをご紹介しましたが、もっと詳しく楽譜の理論を勉強したいというかたのために、ガイドのおすすめ本3冊をご案内しておきましょう。最初の2冊はどちらもCD付き。理論といえども音楽は耳から入って来るもの。実際に聞いて確かめることができると、ページ上では伝わりにくい文字や記号のニュアンスを感覚でとらえることが出来るので、理解を深める大きな助けとなります。この本は、イラスト入りで楽しく「これ以上易しく説明できない!」というほど親切に楽譜の基礎を解説してあります。説明で使われている(例)は付属のCDに収められているので、先生が実際に目の前でピアノを弾きながら説明してくれる音楽の授業と同じような感覚で進むことが出来ます。とにかく理論は苦手という人におすすめ。
この本は、有名な曲を例に用いながら楽譜上のルールを解説してあり、その曲が収録されたCDが付属されています。楽譜の中の標語や記号が、実際に演奏されるとどのように表現されるのか、聞いて納得できるLive感ある楽典書です。曲の鑑賞を楽しみながら理論を身につけたいという人におすすめ。
この本は、苦手意識をもつ人の多い調性(〇長調、〇短調)について、「どうして長調は楽しく、短調は悲し気に聞こえるのか?」、「作曲家はどうやって調性を選ぶのか?」など素朴な質問に答えながら、徐々に調性に対する理解を深めさせてくれます。♯や♭についてもっと知りたい!という人におすすめ。
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