階段で足を踏み外し、1年間車いす生活に
我が家は一応バリアフリーにはなっていたが意外な困ったことが。
我が家は一応バリアフリーにはなってはいたものの、そんなに早く必要になることはないだろうと思っていましたので、主要部に手すりを付けたり床の段差を無くしたりはしてありましたが、基本的な部分だけのものでした。
多分この記事をご覧になっている方も、バリアフリーの必要性はそれほど感じてはいないと思います。こんな仕事をしている私自身も、漠然とまだ自分は大丈夫と思っていました。
通常より広い通路でも冷蔵庫が開けられない
車いすで冷蔵庫のドアを開けるためにはバックかUターン。
我が家は対面キッチンで大型の冷蔵庫が置いてあるのですが、車いすで冷蔵庫のドアを開けるためにはバックしながら開けるか、先に進んでUターンして戻って開ける必要があります。
しかしバックするにはキッチンがジャマ、Uターンするには通路が狭い、どちらにしても開けられないのです。
結局、狭い通路の中で何度も切り替えし、無理やりUターンしていたので、冷蔵庫や食器棚に車いすのステップをぶつけて凸凹にしてしまいました。ちなみに狭いと言っても、通路幅は90cmですから普通ならちょっと広めです。
しかし車いすがUターンするためには、1.5mは必要です。行き止まりができないアイランドキッチンにしておけば、通り抜けできるので問題無いのですが、間取りの関係上それができず。まだまだ先のことだから大丈夫だろう、と思っていた矢先のことでした。
夜中に車いすが倒れ、身動きが取れない状態に
ラグマットの角が車いすの車輪に引っかかって転倒。
ところがある日、ラグマットの角がちょっとした拍子にめくれ上がっていて、その角に車いすの車輪が引っかかり、車いすごと転倒してしまったのです。
幸運にも転倒による怪我はありませんでしたが、車いすの下敷きになってしまい、起き上がることができなくなりました。真夜中だったので、助けを呼ぶこともできず。何時間も掛けて体勢を立て直し、何とか脱出することができましたが、ラグマットを片付けるまでは、リビングに近付くことができませんでした。
杖が倒れたら拾うのにひと苦労
杖が床に倒れてしまうと、すぐに拾いあげることができなかった。
例えば、トイレで、お風呂で、食事の椅子に座る時、ベッドで眠る時、いったん杖から手を離し、適当に立てかけて床に倒れてしまうと、すぐに拾いあげることができません。床を這うようにして拾い、また立ち上がるのにとても苦労しました。とりあえず、粘着式のフックを取り付けて、杖を立て掛けるようにしました。
他には、ドア幅は通常より若干広い程度だったので、車いすを何度もぶつけて壊したり、洗面所の床が濡れていて杖が滑って転んだり、いろいろなことがありました。
次のページでは、家の中で助かったこと、外出先に意外なところで困ったこと、街行く人々の反応についてです。