スタイルは違っても到達点は同じ!目標は日米の両立
元々、アメリカのプロレスに憧れていて「2~3年行っていたいですね」と言っていた真田は、このカナダ遠征中に全日本プロレスの分裂騒動が起こると、帰国せずにカナダに留まり、6月30日付で全日本を退団しました。分裂騒動により武藤敬司が7月10日に新団体W-1を設立、全日本の多くの選手が移籍しましたが、真田は態度を保留してメキシコにいました。9月8日の東京ドームシティホールにおけるW-1旗揚げ戦にはフリー参戦の形を取って全日本の同期のKAIと一騎打ちをやった真田はファンを驚かせました。わずか数カ月前の基本に忠実な地味なレスラーという面影がまったくなかったからです。ブルーを基調にした派手なコスチュームに身を包み、随所でファンにアピール。予測がつかない独特なリズムと日本&アメリカ&メキシコのファイト・スタイルをミックスさせたオリジナルな闘い方を確立していたのです。
真田は10月1日付でW-1所属になりましたが、それはW-1がTNAと業務提携したことが決め手となりました。真田は「日本の団体に入っても海外に行く道はあるというのが大きかったです」と言います。
そしてXディビジョン王者になって念願の世界進出をスタートさせた真田ですが、現実は厳しいものがあります。3月の初のTNAサーキットから帰国後は「チャンピオンと言っても、向こうではまだ新人なので知名度もないし、凄く悔しい思いをしています」と語っていました。また「日本とアメリカのプロレスは、極端に言うと野球とサッカーぐらい違います。それはお客さんへの見せ方というか、表現の仕方というか」とスタイルの違いも改めて痛感しているようです。
「日本とアメリカを両立させるのは難しいですけど、お客さんを満足させて帰すという最終的な到達点は共通しているので、やり甲斐がありますね。今、自分が果たす役割はW-1を世界に広めることだと思います」と改めて世界進出への決意を語ってくれた真田。26歳の若い王者には無限の可能性があります。