カナダ遠征を機に独自のスタイルに開眼
07年3月に19歳の若さでデビューした真田は、基本に忠実なレスリングに定評がありました。普通、若い選手は大技や飛び技を使いたがりますが、真田の場合は基本的な技で試合をコツコツと組み立てていく、あるいは一瞬の切返しの技で勝負するという玄人好みの試合をしていました。そうしたなかでデビュー4年足らずで11年4月の全日本プロレス春の最強決定戦『チャンピオン・カーニバル』で準優勝、同年の『世界最強タッグ・リーグ戦』優勝、世界タッグ王座とアジア・タッグ王座の獲得と次代のエースとしての実績を上げました。しかしファイトぶりが地味なために人気はいまひとつというのが現実でした。そんな真田の転機になったのが、昨年5月にGAORA・TV王者としてのカナダ・ニューブランズウィック地区への遠征です。大技や飛び技に頼らないファイトを身上としていた真田ですが、実はバック宙もできるし、ベンチプレスで220キロを上げるパワーの持ち主で、やってみれば何でもできる万能派。しっかりした基本があるから、あとは何をどう使うかです。カナダに渡った真田は自分のことを知らない現地のファンにインパクトを与えるために弾けました。日本では経験がない悪党ファイトにもトライしました。
「普通の試合をしていても印象が残らない。どうせだったら自分のことを覚えてもらおうとインパクトを優先しましたね。でも、基本ができていないと、何をやってもうまくいかないと思うので、若手時代に基本をみっちりと学んだのはよかったと思います」と真田は言います。