Facebookは2004年に登場してから10年、Twitterは2006年に登場してから8年が経ち、老若男女問わず使われ、国境を越え、個人だけでなくビジネスでの利用も進んでいます。
Facebookは特にユーザー離れなどがささやかれているものの、すぐにFacebookが使われないプラットフォームになることはないでしょう。それは、FacebookやTwitterを基盤とした付加的なサービスが多いからです。例えば、Play Station 4でもゲームの画面がFacebookやTwitterにシェアできるようになっています。
PS4のゲームのプレイ情報をFacebookやTwitterにシェアできる
つまりFacebook、Twitterは広くいろいろな人とつながり、情報を交換する場所として定着しているだけでなく、他のデバイスやサービスをシェアする共通の場所にもなっているのです。
プラットフォーム主体のコミュニティが盛り上がらない理由
FacebookやTwitterが共通の基盤となる一方で、自分の興味・関心の高い事柄についてもっと深く、コアに語り合いたい、情報を共有したいというニーズも高くなっています。こうしたトピックを限定してかた、これまでmixiを始め、Google+(https://plus.google.com/communities?hl=ja)、LINE(http://cafe.naver.jp/)などがそれぞれコミュニティを用意していましたが、mixiはサービスそのものが停滞していますし、Google+のコミュニティも今ひとつ盛り上がりをかいていますし、LINEのコミュニティであるcafeは2014年6月末でサービス終了が決まっています。プラットフォームのコミュニティが盛り上がらない理由は、誰でもコミュニティを作るだけならできますが、コミュニティを運営するスキルを持つ人は少ないことにあります。
例えば、LINE cafeでは、一ユーザーがコミュニティを作っても、メンバーを何人か集め、投稿をいくつかしただけで満足してしまい、数日後にはコミュニティに対するモチベーションを失い、管理人ですらそのコミュニティにアクセスしなくなってしまうという状況が見受けられました。よって廃墟のようなコミュニティが量産されてしまったのです。
オンラインのコミュニティを運営するには、特に立ち上げ当初はユーザー同士の交流が活発になるように、管理人が積極的に投稿をし、ユーザーのフォローをし、コミュニケーションが生まれやすい雰囲気を作る努力をしないといけません。しかし、そこまでやる気のあるユーザーはほとんどいないのです。
10万人単位のコミュニティがスマホアプリで生まれる
プラットフォーム主体のコミュニティから今、アプリ主体のコミュニティがたくさん生まれ盛り上がっています。例えば、最近テレビCMを放映するなど積極的なプロモーションをしかけているファッションコーディネイトアプリの「WEAR」。CMではユーザー数100万人とうたっています。FacebookやTwitterのユーザー数から見れば少ないですが、ファッションに興味があり、購買意欲も高い人達が集まり、情報を交換したり実際に購入したりしています。
スマートフォンの普及によって、その持ち主が自分の興味・関心の高いテーマをアプリを使って楽しむという、これまでとは異なる情報の共有体験が生まれています。ファッション、料理、音楽、スポーツなど特化したテーマのコミュニティがいくつも生まれ、ユーザーは自分の好きなコミュニティを選んでそこで時間を費やすようになっています。これらのテーマに特化したアプリは、FacebookやTwitterのような万人受けするプラットフォームにはならず、またコミュニティの寿命も短い形で入れ替わっていくでしょう。
手軽に自分の関心を追える場所はスマホアプリの小さなコミュニティになり、FacebookやTwitterはそれ以外の情報を交換する場所になっています。