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新社会人に贈るお金の新常識5題

昔は、こんなことが常識でした。給料をもらったら財形貯蓄で貯める、安心のために保険に入る、株や投資には手を染めず、お金は自分のために大事に使え。うっかりしていると、こんなアドバイスに従ってしまいそうですから、まずはお金の新常識を学んでください。

北川 邦弘

執筆者:北川 邦弘

はじめての資産運用ガイド

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目上の人のアドバイスは陳腐なものも多い

この春に、新たに社会に出ていく若い人たちに伝えたいことがあります。社会人としてどんな行動を取るべきか、いろいろなアドバイスを聞かされるでしょうが、それらを聞き分ける力が必要です。

なぜなら、目上の人からのアドバイスには、陳腐なものもたくさんあるからです。ほこりをかぶった、過去の知恵にはまらないために、5つの新常識をご案内します。

財形貯蓄はしない

給料をもらうようになると、その一部を財形貯蓄にした方が良いと言ってくれる先輩がいます。が、それは昔のルールです。その昔は、預貯金でも金利が3~5%もありました。ですから、利息に対する所得税を免れることにはメリットがあったのです。しかし、今では金利は当時の100分の1以下です。所得税のメリットも数円の話。

そもそも、給料の残りを預貯金に置いておいて、どうなるものか。時代がデフレからインフレに変わろうとしている今では、それではお金が目減りするばかりです。マネーリテラシーを身につけましょう。

ムダな保険には入らない

入社するとすぐに職場を回る保険セールスの標的にされます。「みんな入っていますよ」という理由だけで、あなたも保険を買うべきだという勧誘に負けてはいけません。

わずか毎月1万円の保険料でも、30年間払っていれば360万円になります。ましてや、それを5%で運用できていた場合と比べれば、保険契約者は832万円を失うことになるのです。毎月の小さな金額で軽く考えてはいけません。長期間の支払いを固定すると、あなたの人生は大変なことになります。

保険が必要なケースはあります。自動車を運転する人のドライバー保険、住まいの家財保険は必須です。しかし、生命保険は子どもなど扶養者ができてから、ゆっくり考えても十分です。日本には、立派な健康保険制度と公的年金制度があります。そのために、ずいぶんの金額を給料からすでに天引きされていることを忘れないでください。

確定拠出年金ではしっかり積極運用

選択できる企業年金を用意してくれている会社もあります。たとえば、確定拠出年金(日本版401k)です。

よく分からないといってせっかくの制度に加入しない人や、毎月の掛け金を現金で受け取ってしまう人、元本確保型商品(定期預金や年金保険)を買ってしまう人がいます。それはとてももったいないことです。

積極的な選択をしてください。確定拠出年金に加入する、掛け金で株式投資信託を買う、国内だけでなく国外にも投資する。以上の選択がベストです。

つみたて投資を始める

昔は、預貯金の金利が高いうえに、気軽に投資するツールがありませんでした。だから、財形貯蓄と保険商品にお金を置いていたのです。しかし、時代は変わりました。それらに代わる最強の置き場所が、確定拠出年金です。

しかし、その仕組みが用意されていない人は、自分で投資信託の積み立てを始めればいいのです。銀行や証券会社で申し込むことができます。ファイナンシャル・プランナーなどに相談するのもいでしょう。

将来のためにリスクを負ってお金を増やす仕組みを自分で作ってください。自分の人生をマネジメントするために、武装してください。長い人生を素手では戦えません。

毎月3万円の投信積み立てを30年間続けられれば、数千万円に増える可能性はあります。

感謝のためにお金を使う

自分でお金を稼げないときには、お金とは自分のためだけに使っていたと思います。物を買う、空腹を満たす、楽しむという消費のためです。しかし、これからは違ったお金の使い方を身につける必要があります。それは、感謝のためにお金を使うということです。

人のためにお金を使うという大義を持つことで、あなたはもっとお金を必要とするでしょう。それは人生を豊かにしてくれます。

今までお世話になった人への恩返し、これからお世話になる人へのお礼、自分を大切に扱ってくれる人への気遣いとして、お金を惜しまないことを学んでください。

お金とは、決して自分の安楽や快楽のためにあるのではないのです。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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