誰もが好きにならずにいられないマジョリンを救うべく、クライマックスでは場内が一つに!
『魔法をすてたマジョリン』マジョリンとニラミンコ 撮影:荒井健
〈こんなファミリーにお勧め!〉
- 分かりやすいストーリーが好み。(例えば人間社会への風刺色の濃い『人間になりたがった猫』などと比べ、本作は直球で、とても分かりやすいストーリー。より低年齢から楽しめる作品です)?
- 笑いもほどよくまぶしてほしい。(おネエ風の魔女ニラミンコ、歌舞伎調の台詞もあるブツクサスなど、魔界には“濃ゆい”キャラが勢揃い。笑える要素もふんだんにあります)
- 子供に、素直な心を教えたい。(友達って素敵。人間って素敵。ありがとうって素敵。そう思わせる場面や台詞が、本作にはたくさんちりばめられています。子どもの付き添いのつもりで来て、実はパパやママのほうがじーんと来てしまうことも多いようです)
- 歌が大好き!(クライマックスでは、主人公マジョリンが絶体絶命の窮地に。それを救えるかもしれないのが、ダビッドがマジョリンに教えてくれた、友情の素晴らしさを歌う「心から心へ」。でも、魔女たちも邪悪な歌を歌ってマジョリンたちの歌声を掻き消そうとします。ここで加勢しないと、マジョリンは火あぶりの刑になってしまう!歌好きはもちろん、ふだん歌なんて歌わないんだけどというパパも、思わず一生懸命に歌わずにはいられないお芝居です)
『魔法をすてたマジョリン』追いつめられたダビッドとマジョリン 撮影:阿部章仁
ストーリーが分かりやすく、劇団四季のファミリーミュージカルの中でも特に低年齢から楽しめる作品だと言えるでしょう。だいたいの状況を追うことが出来、歌も大好きな3歳なら、主題歌を口ずさみながら帰るほど、夢中になれるかもしれません。
〈どんなミュージカル?〉
『魔法をすてたマジョリン』マジョリンとブツクサス 撮影:荒井健
〈物語〉
『魔法をすてたマジョリン』絶体絶命のマジョリンを救うのは? 撮影:阿部章仁
子連れ観劇レポート
子供はもうすぐ4歳。以前は観劇中、お席でもぞもぞしたり、登場人物のメイクを怖がったり、「おにぎり食べたい」などと言いだすこともありましたが、観劇というものがどういうものか分かってきたこともあり、今回は最初から最後まで集中していました。2幕途中でダビッドたちが「皆さんもこの歌を覚えて、一緒に歌って下さい!」と「心から心へ」を歌うと、それ以降登場する歌はことごとく追いかけ、まだ音程が定まらないなりに口ずさむほど夢中に。幕が下りるなり「マジョリンと握手する!」とかたい決意?を表明しました。ロビーでの「お見送り」でしっかり握手してもらい、劇場を出ると満足げに「楽しかったね」。浜松町駅までちょこちょこと歩き、ついこのあいだまでベビーカーに乗ったり、途中で「抱っこ~」と所望しながら自由劇場を訪れていたのになあ、とママは感慨にふけってしまいました。『魔法をすてたマジョリン』撮影:荒井健