自転車でお手紙を配達する郵便屋さんの正体は?
「ギコギコキーッ、ギコギコキーッ」と、大きな音をたてて、お手紙を届ける郵便屋さんは、なんとガイコツです。名前は、ホネホネさん! しかも、ホネホネさんには、ホネコさんというガールフレンドがいるのです。季節は春、もうすぐはるかぜ祭りの日がやってきます。ホネホネさんの仕事にも、一段と熱が入りそうです。春のお手紙には楽しいことがいっぱい詰まっています
ホネホネさんは、いつものように「ギコギコキーッ、ギコギコキーッ」と自転車を鳴らして、元気にお手紙を配達します。カワセミ君からトリオさんへのお手紙は、はるかぜ祭りのイベントに参加しようというお誘いでした。冬眠から目覚めたばかりの蛇のニョロコさんは、ブタヤマさんのお母さんとリスノさんのお父さんから、新入学を迎える子どもたちの洋服を作ってほしいと頼まれました。その他、お茶会のお誘いや、花粉症の治療依頼など、春ならではの(?)出来事やお願いが綴られたお手紙を、ホネホネさんは、森のみんなに丁寧にお届けしていきます。ドラマチックな展開はありませんが、うららかな春の一日の一コマを切り取った楽しいお手紙が、森の住人の間を飛び交っていくさまは、読み手の私たちでさえ、なんだかとても幸せな気持ちになります。
白黒のモノトーンで描かれた多くのページと対照的に、桜並木とはるかぜ祭りの会場だけは、一面こぼれんばかりの美しい桜色で着色され、待ち遠しい春の到来を強く印象付けます。季節が巡り、春がやってきて、人々の心の中にも温かな温もりが生まれているようです。
ホネホネさんのシリーズは、『はるかざのホネホネさん』のほか、ハードカバーとして『ゆうびんやさんのホネホネさん』『ゆきのひのホネホネさん』が出版され、さらにこどものとも年中向きで、『あきいろのホネホネさん』(※1)と『ホネホネさんのなつまつり』『ホネホネさんのおしょうがつ』(※2)などがソフトカバーで発売されています。(2014年3月末現在)
『はるかざのホネホネさん』では、ホネホネさんとホネコさんが、ハイキングデートに出かけますが、全巻通してお読みいただくと、ホネホネさんとホネコさんの恋愛模様にも大きな進展がありますので、ホネホネさんファンの方はぜひ合わせてご覧ください。
【書籍DATA】
にしむらあつこ
価格:840円
出版社:福音館書店
推奨年齢:4歳くらいから
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※1と※2は、現在購入できません。