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プジョー2008は良好な乗り味と使い勝手が光る(2ページ目)

プジョー208をベースにした4ケタ車名のプジョー2008は、コンパクトなアーバンクロスオーバーを謳う。ルノー・キャプチャーやホンダ・ヴェゼルとの違いはどんな点だろうか?

塚田 勝弘

執筆者:塚田 勝弘

車ガイド

シングルクラッチのフィーリングはMT的

プジョー2008エンジン

1195ccの直列3気筒DOHCのNAエンジンは、82ps/118Nmのスペックだが数値以上に走りやすい印象を受ける

プジョー2008とガチンコとなるルノー・キャプチャーが1.2Lの直列4気筒ターボ+DCT(デュアルクラッチ)になるのに対し、1.2L 3気筒のNA+シングルクラッチの5速ETGになる。

プジョー2008の82ps/5750rpm、118Nm/2750rpmは、ルノー・キャプチャーの120ps/4900rpm、190Nm/2000rpmと比べると乗る前から旗色が悪いし、しかも、デュアルクラッチに対してシングルクラッチとなると、変速マナーにも不安が残る。

しかし、プジョー2008に乗ってみると、3気筒なのに日本の軽自動車のような安っぽい音や振動はほとんどしない。アイドリング時にとくに気になる音や振動も、比較的こまめにするアイドリングストップ機構でエンジンは止まるし、そもそもエンジンが止まってしまえば気筒数は関係ない。

5速ETGはいかにもシングルクラッチらしい、MTそのものの変速フィールだが、MT車からの乗り替えなら即慣れるだろう。問題はATやCVTからの買い替えだが、シフトアップ時にアクセルを少し戻すなど、コツをつかめば比較的スムーズに走らせられるはず。

坂道ではヒルスタートアシストもマニュアルモード時は1速ホールド機能もあるし、当然ながら3ペダルのMTのようにエンストする心配もない。パドルシフト駆使してマニュアル操作をすれば、積極的なシフトチェンジも楽しめる。

1.2LのNAでもパワー不足の懸念はなし

プジョー2008シフトレバー

5速ETGと呼ぶシングルクラッチトランスミッションを搭載。シフトレバーでマニュアル操作ができるほか、パドルシフトでもシフト操作が可能で、オートモードも用意する

気になる動力性能も数値以上に頼もしい。パーシャル域からの加速も高速域のパンチ力も想像以上で、とくに中・低速では粘るエンジンだなぁ、と感心させられた。

ルノー・キャプチャーと競走すればその背中を追いかけることになるだろうが、高速道路でも一度巡航速度に乗ってしまえば、パドルシフトで一段低いギヤを選ぶだけで容易に追い越し車線をリードできる。

ベースのプジョー208よりも70~90kg以上重いだけに、決してパワフルではないものの、4人乗車でも不足なく走れるエンジンは、まさに実用エンジンといえる出来映えだ。

次ページは、プジョー2008の乗り心地について
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