管理組合のパートナーになれるか？
管理組合の「パートナー」となるには
マンション管理士の仕事とは、このようなリスクから管理組合を守り、健全に運営できるようサポートしていくことです。つまり、管理組合から見て、管理会社は「業者」、マンション管理士は「パートナー」である点が最大の違いです。
管理会社は、管理や工事を受託する業者として、管理組合と利益相反の立場にあるため、自らの不利益になるようなことをしたり、情報を発信することはありません。
たとえば、管理委託費が割高なので下げますとか、修繕工事を他の業者に任せた方が安くなりますなどと言って管理組合に奨めるようなことは、まずあり得ないでしょう。
したがって、マンション管理士は、管理組合に適切な情報や正しい知識を提供することで、正確に状況を認識させるとともに、管理会社に対するガバナンスを効かせながら健全な運営を継続できるようサポートすることが求められているのです。
具体的には、下記に挙げたように、管理会社自身が立場上やれない、もしくは苦手とする分野の業務をマンション管理士が理事会に代わってカバーすべきであると考えます。
・管理規約、管理組合の財務状況等に関する理解を深めるためのレクチャー
・管理会社等の業務実施状況に関するインスペクション
・組合の事業計画や予算の作成に関する助言
・長期修繕計画の見直し、大規模修繕工事の実施に関する助言
・管理委託費をはじめとする支出全般のチェックと適正化
・省エネ対策、駐車場の空き問題などの課題への対処に関する助言
・マンション管理に関連する法律や条例等の改正、トピックス等の情報発信
このように、管理組合に不足しがちな「専門性」や「マネジメント力」に加え、「管理会社に対する監視機能」を補う役割こそが、マンション管理士の仕事の本質と言えるでしょう。
