投手としても打者としても、2年目の飛躍に期待
開幕ローテーション入りがほぼ当確となった大谷選手。一方、打撃も絶好調で今年も二刀流でシーズンに臨む可能生が高そうだ。
8日の阪神戦(甲子園)で同じ2年目の藤浪と投げ合い、5回2安打1失点。高校時代を通じ、甲子園初勝利を挙げて、開幕ローテ―ション入りに大きく前進した。最速156キロのストレートに新球種である“パワーカーブ”を駆使し、4三振を奪ったところに2年目の成長がうかがえた。
その大谷は当初、15日の中日戦(札幌ドーム)に先発する予定だったが、開幕ローテーション候補のドラフト2位・浦野(セガサミー)が先発。これは「投手(大谷)が落ち着いたから」という栗山監督の判断で、大谷の投手としての見極めは終わり、開幕ローテ―ション入りに当確ランプが点ったことになる。
一方、打撃も凄い。13日、西武とのオープン戦(札幌ドーム)に「3番・DH」で出場した大谷は、開幕投手に内定している岸から第1打席で130キロスライダーを、第2打席では自身も参考にしている109キロのパワーカーブをともに右前へ運んだ。これで4試合連続となるマルチ(複数)安打を記録。その4試合で17打数8安打6打点の打率.471と手が付けられない状態で、存在感は際立っている。
ドラフト制度後、日本ハムで高卒2年目までに2ケタ勝利を挙げたのは、1966年、67年の森安(11勝→15勝)と2006年のダルビッシュ(2年目12勝)の2人しかいない。昨季は13試合に登板し、3勝、61回2/3だった大谷にまず求められるのは、規定投球回数の到達であり、そうなれば自ずと2ケタ勝利も見えてくる。
“二刀流”で成功するのは至難の技である。なぜなら、投手としての調整と野手としての調整は違い過ぎて、相容れない点も多い。したがってどちらかを選ばざるを得ないという状況になる。大谷の場合、150キロ以上の速球を投げる投手の希少価値を考えれば、投手に絞った方が良いように思えるが、まだ19歳でもあり、両方の可能性を追求しても許されるだろう。
開幕ローテ―ション入りを決め、バットも好調な大谷。それでも「3、4打席目がいつもイマイチ。集中力を持って打席に入りたい」と反省を忘れず、向上心を持っているところに2年目の飛躍が期待できる。