世界遺産にも指定! レーティッシュ鉄道アルブラ線とベルニナ線
世界遺産に登録されているレーティッシュ鉄道アルブラ線 画像提供:スイス政府観光局www.myswiss.jp
この記事では、2008年に世界遺産に登録されたレーティッシュ鉄道のアルブラ線とベルニナ線に焦点を当てて解説します。
レーティッシュ鉄道アルブラ線/ベルニナ線と周辺の景観
二つの路線はスイス東部、オーストリアやイタリアとの国境に近い
変化に富んだ景観を楽しめるベルニナ線 画像提供:スイス政府観光局www.myswiss.jp
この二つの鉄道路線は周辺の景観と合わせ、2008年に世界遺産に登録されました。ユネスコの世界遺産リストは、世界中で980ヶ所以上が登録されています(2014年3月現在)。その中で鉄道路線として登録されているのは、他にはオーストリアのゼメリング鉄道、インドの山岳鉄道群とごくわずか。
それではなぜスイスのアルブラ線とベルニナ線は、世界遺産としての「顕著な普遍的価値」があると認められたのでしょうか?
スイスが誇る鉄道技術の粋
ループ橋を通過するレーティッシュ鉄道の車両 画像提供:スイス政府観光局 www.myswiss.jp
アルブラ線とベルニナ線が完成したのは、1900年代のはじめ。幸い19世紀後半にトンネルの掘削技術が発達し、円を描くように掘るループトンネルの建設が可能になっていました。建設当時の鉄道における技術革新のおかげで、スイスの山深い地域にまで線路が敷くことが可能になりました。
アルブラ線とベルニナ線を合わせた距離は約130km。標高差は1800m以上になります。スイスアルプスの北側と南側を結ぶ重要な路線のひとつとして、地域経済の発展にも大きな役割を果たしています。
周辺の景観との調和
沿線には小さな可愛い山村が点在する 画像提供:スイス政府観光局 www.myswiss.jp
教会を中心に肩を寄せ合うように家々が集まる村と、その周囲に広がる牧草地帯。特に春から初夏にかけて一面に咲く花も、乗客の目を楽しませてくれます。そして沿線の数々の橋、駅舎、信号、トンネルなどの鉄道設備が、周囲の素晴らしい景観とみごとに調和しています。
石造りの重厚な駅舎も世界遺産の一部 画像提供:スイス政府観光局www.myswiss.jp
緩衝地帯は、おおむね線路の両側500~1000mのエリアをカバーしますが、狭い峡谷では150mに狭まったり、視界の開けた場所では5kmに広がったりします。