叱り方は効き目以上に、その質で良し悪しが決まる
「子供が言うことを聞けばそれで良し」と叱ったときの効き目ばかりに着目してしまうと、叱り方の質が低下してしまうことがよくあります。例えば、大声で叱る、罰を与える、お尻を叩く……。これらは、一瞬だけは効果を発揮することがよくあります。ただその効果は本物ではありません。
- 怒鳴られてびっくりしたから
- 罰はイヤだから
- 叩かれると痛いから
虐待のニュースなどで、加害者の親がよく口にする「しつけのためにやった」という言葉。でも、実際は、前ページでも触れたとおり、叩けば叩くほど、子どもには悪い置き土産が積み重なっていきます。では、その置き土産は、子供の心の中でどんな悪さをするのでしょうか?
裏メッセージに気をつけて!
これまでいくつかの記事で、裏メッセージというものの存在について書いてきましたが、ここでも裏メッセージがそのパワーを発揮します。例えば、子供が言うことを聞いてくれないとき、親がその子のお尻を叩いたとします。そのとき、子供が受け取る裏メッセージは、
「そうか、ボクも困ったときは、こうやって相手を叩けばいいんだ」
というもの。子供は痛みを覚えるだけではなく、困ったときは叩いて問題を解決すればいいという間違った対処法も覚えてしまうのです。
つまり、
- 親が叩けば、子供も叩くようになる
- 親が怒鳴れば、子供も怒鳴るようになる
子供を叱るときには、いい置き土産をすることを念頭に置き、「子供が”結果的に”何を学ぶか」に着目すると、よりいい叱り方につながります。
裏メッセージについては、過去記事の、
『実は育児のカギ! 裏メッセージが子供の心を育てる』
『子供とのコミュニケーション、言葉に頼っていませんか』
をご参照ください。