大学時代
文学部国文学科。2年生から中国語を第二外国語として学習開始。3年生から始まるゼミの専攻は日本院政期の説話。中国語とはほぼ関係なかったです。4年生まで3年間、特に目的もなくダラダラと(!)学んでいたように思います。4年次に獲得していた資格は中国語検定3級、旧HSK4級。大学院時代
大学院では専攻を変えて、中国の現代文学を専攻。この2年間で、中国語を読むということについてはとても伸びたように感じました。1年次から、都内の高校で国語を教えるようになりましたが、2年次にちょうど近くの高校で中国語を教える人がいないということで一気に2校、教えに行くことになりました。ここからが今思うととてもきつかったなあと思います。自分の責任とはいえ、中国語検定3級で教える仕事を始めた訳ですから。そして大学院修士課程修了とともに、中国語教員の免許を手に入れました。
その後
大学院の修士課程を出てからは、中国語を教える仕事をしながらアルバイトをして生計を立てていました。中国語講師を募集するサイトや人伝いで少しずつ仕事先を増やして行く中で、自分の中国語の能力があまりにも低いと感じ、中国語の学校や通訳学校に通うようになります。通訳学校は、課題の量が尋常でないほど多く、仕事をしながら通うのがとても辛かったです。しかし、2年半集中して勉強できたことで、後々大きな支えになりました。また、ここで出会った同学は今でも情報交換をする大切な仲間です。授業後に近くのカフェでみんなで復習をしたり、用語集を回し合ったりということもしました。
ここで学んだことを通じて、何となく教えること以外の仕事にも興味を持ち始め、翻訳会社にコンタクトを取り始めます。感覚としてですが、10社に書類を出せば、2~3社くらいはトライアルという翻訳会社登録のための試験を受けさせてくれます。未経験でも、この試験に合格することで翻訳の仕事が獲得できるのです。学歴も、経歴も関係なく、自分の訳文だけで見てもらえるのは、厳しい反面とても嬉しいことだと思います。
このトライアル受験には「経験○年以上」などの条件を設ける会社も多いですが、書類を見て受けさせてくれることがあります。失うものはないですし、強気に出し続けるとよいでしょう。また、資格は上級を持っているに越したことはないです。「通訳案内士」の資格は、翻訳会社に登録する際とても有利に働きました。ボランティアであっても通訳翻訳の経験は書類に記載しておいた方が良いでしょう。翻訳会社の方とは、基本的にはメールや電話のみで連絡を取り、長年つきあいがあってもお会いしない、ということが多いです。その分、書類には慎重になりたいですね。
とにかく1つひとつ、完ぺきに!という思いで仕事を大切にしていると、見てくれている人は必ずいます。人間ですから、完ぺきということはないにしても、気持ちの入った仕事かどうかというのは語学エージェントの担当の方々は一瞬にして見抜きます。ですから、1件目の案件を丁寧に仕上げられれば、たとえ期間が空いたにせよ、2件目があるでしょう。
こういった形で、始めは高校の講師のみでしたが、市民講座や専門学校、大学や企業までお仕事の幅が広がりました。翻訳も、始めは1分野限定でしたが、徐々に隣接分野から全く未知の分野まで広がっていきました。
いかがでしたか? 今こうして思い返してみても、中国語の仕事をするというのはなかなか範囲の広いことだと思います。ある程度実力がついたなと思った時点で、臆することなく興味のある仕事にアプローチしていくことが大事です。エージェントをインターネット上で探し出すのも、能力の一部、スキマ時間で調査を怠らないことですね。
「初生牛犊不怕虎(生まれたばかりの子牛は、トラをも恐れない)」の精神で挑戦しましょう!
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