検討対象の住宅の現地を見に行くのは、ほとんどの場合が明るいうちのはずです。しかし、夜の住宅地は昼間と違う雰囲気を醸し出すことも少なくありません。その大きな要素のひとつが一戸建て住宅の外灯です。
とくに会社勤めや公務員の人であれば、帰宅するのは暗くなってからのほうが圧倒的に多いのですから、夜の様子もあらかじめ確認しておくようにしましょう。
最近は節電の意識が高いためか、外灯を消している家が多く、それぞれの住宅地に点在する空き家も暗いままです。また、夜になると雨戸や窓のシャッターを閉じて、家の明かりがまったく外へ漏れないようにしている家もあるようです。さらに、人感センサーによって人が近付いたときだけ点灯する玄関の照明を取り付けている家も少なくありません。
暗い家がいくつかあるだけならあまり気になりませんが、外灯の消された家が何軒も並んでいると、何となく落ち着かない気分になるものです。
仕事帰りに夜の住宅街を歩くときには、途中の家の外灯によってホッとする気持ちになるのではないでしょうか。あれこれと考えられた照明によって、安らぎを感じることもあります。
玄関前のアプローチ部分やカーポートまで照らすように考えられた外灯は、家のイメージを高めてくれるでしょう。
また、敷地延長による旗竿状の土地では、専用通路部分を外灯で照らすことによって、独特の雰囲気を演出できる場合もあります。
もちろん、外灯は雰囲気づくりや通り過ぎる他人のためばかりではなく、帰宅する家族や来客の安全、あるいは防犯面の効果も大切です。玄関前が階段状になった家であれば、足下を明るく照らすことも考えなければなりません。
また、一般的な門柱灯ではなく、門の外側などの低い位置に外灯を設置する例や、玄関前のアプローチにガーデンライトなどを設置する例もあり、なかなか魅力的に感じられます。あくまでもそれだけの敷地があれば、の話ですが……。
凝ったデザインの表札と外灯(表札灯)の組み合わせも素敵です。住んでいる人のセンスも感じられるでしょう。また、門の前のスポットライトと玄関灯で奥行きを演出できる場合もあります。
最近の一戸建て住宅では暖色系の外灯が主流で、白色のものは少なくなっているようです。とくに冬場は、白色だと寒々とした印象になりかねません。白色の玄関灯でも、暖かみのある木製玄関ドアとの組み合わせならあまり問題ないかもしれませんが、鉄製ドアに白色灯の組み合わせはなるべく避けたほうがよいでしょう。
マンションにかぎらず、一戸建て住宅でも植栽を照らすスポットライトを設置していることがあります。冬場は少し寂しいかもしれませんが、緑が生い茂ったり花が咲き誇ったりする季節には、外灯の効果も発揮されて綺麗でしょうね。
一戸建て住宅そのものをスポットライトで照らしている例もあります。何の変哲もない家を照らしても陳腐なだけでしょうが、デザイン性の高い家であればとても引き立ちます。初めからそれを意識した家づくりをしないと、なかなか難しいだろうと思いますが……。
一戸建て住宅の購入や建築を検討するとき、なかなか外灯のことまで気が回らなかったり、節電の問題があって点灯できなかったりする場合もあるでしょうが、機会があればぜひ積極的に考えてみたいものです。
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