自宅外通学の大学生の9割以上は仕送りあり!!

入学から卒業までの大学費用(大学に支払う費用)は私立文系で400万円というのが、一般的に知られている数字です。しかし、実際はその倍かかるとすればどうでしょう。ただし、すべての学生に該当するわけではありません。留年、落第を想定しているわけでもありません。いわゆる「仕送り」費用が上乗せされた場合です。

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仕送りという言葉には何となく「昭和」の香りがしますが、親による子ども支援システムは今も脈々と生きています。全国大学生活協同組合連合会が行った「第55回学生生活実態調査(調査時期/2019年10~11月)」によれば、親元を離れて生活する大学生の割合は51.3%。そのうち仕送りをまったく受けていない大学生は、わずか7.1%に過ぎません。したがって、大学生の約半数の親は、仕送りという「もうひとつ」の教育費を背負っているわけです。

では、仕送りはいくら必要なのでしょうか。先に紹介しました「学生生活実態調査」から見てみましょう。2019年の平均額は月額7万2810円(図表1)。前年比1310円増となり、この10年、ほぼ7万円前後で推移しています。また、10万円以上の仕送りも27.9%に達しています(図表2)が、生活費の平均が11万5620円ですから、大半の学生が仕送りだけでは足りず、奨学金やアルバイトなどの収入を加算しているという実態も見えてきます。
 
収支で赤字が出ないよう収入が支出を上回っている

収支で赤字が出ないよう収入が支出を上回っている


 
図表1/図表2とも、全国大学生活協同組合連合会「学生生活実態調査(2019年)」を参考に作成。ここでの「下宿」とは 自宅と学生寮を除く、家賃が発生する住居形態の総称。

図表1/図表2とも、全国大学生活協同組合連合会「学生生活実態調査(2019年)」を参考に作成。ここでの「下宿」とは 自宅と学生寮を除く、家賃が発生する住居形態の総称。

 

足りないなら家族全員で支え合う

もちろん、必要な仕送り額は個々の状況によって異なります。しかも、入学する大学が先に決まらなければ具体的な数字は出せません。先の平均額を目安にすれば、4年間で約340万円。大学に支払う学費とは別に、これだけ貯められる余裕が家計にあれば、事前に用意していけばいいでしょう。

しかし、実際はそれほど余裕のない世帯が大半。それでも仕送りが発生してしまったら、どう対処すべきでしょうか。日本政策金融公庫が「国の教育ローン(教育一般貸付)」利用世帯を対象に行った調査結果(2018年度)から、教育費の捻出方法上位5つを以下に列記してみます(3つまでの複数回答)。「支出を削減(主にレジャー費、外食費など)/31.7%」「預貯金、保険の取り崩し/23.3%」「奨学金/21.0%」「子どものアルバイト/20.3%」「残業時間やパートの時間を増やす/12.1%」。家族が個々に行えることはすべて行って教育費を捻出している、そんな姿が浮かんできます。

朗報もあります。2020年度からスタートする「高等教育の修学支援新制度」は、大学・短大・専門学校・高等専門学校の無償化がその内容。対象となるのは、住民税非課税世帯とそれに準ずる世帯の学生で、世帯年収によって段階的(3段階)に授業料等を減免します。例えば、住民税非課税世帯の場合、国立大学は入学金と授業料が無償に。私立大学は入学金が約26万円、授業料が年間で約70万円減額されます。

2018年度から始まった、返済不要の「大学給付型奨学金制度」も、2020年度からは世帯年収や対象者の成績などの利用条件が緩和され、また給付額も増額されます。収入が理由で大学費用の捻出がきびしい世帯には大きな負担軽減が期待できます。

しかし、制度を利用できない世帯も当然あります。できないからと、教育ローンや返済型の奨学金を安易に利用することは大きなリスクをともないます。慎重な検討が不可欠で、無理な借り入れは禁物です。大事なのは、家計の見直しや収入アップなどを目指しつつ、1万円でも5000円でも、可能な範囲で教育費を上乗せしていくことです。しかも、その開始は早い方が望ましいでしょう。

また、直前で慌てないよう、前もって仕送り費用などの情報を収集しておくこと。そして、多少でも教育資金を増やすことができるよう、家族で協力し合いながら、家計管理を進めていくことです。

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