肌も体調も変化する季節
春は肌トラブルが起きやすい季節
さらに、体の新陳代謝が活発になり、 ホルモンの分泌も盛んになります。 皮膚表面では、皮脂や汗の分泌も増えてきます。
これは、寒い冬から暖かい春へと季節が変わっていく中、 体そのものが外部環境の変化に対応しようとするため。 体調が一種の緊張状態にあり、 皮膚も含め体そのものが大変敏感になっているのです。
春になると、肌トラブルが発生しやすいというのは、こういった体調の変化に関係していて、皮膚が外界からの異物に反応しやすくなっているためです。
また、肌の状態が外界からの異物や刺激に対して非常に敏感になっているところへ、 肌の大敵「紫外線」もどんどん強くなってきますので、 スキンケアには細心の注意が必要となります。
そこで、春先の肌トラブルを防ぐために、トラブル発生のメカニズムを勉強してみましょう。
肌トラブル発生のメカニズム
本来肌には、紫外線や害を与える異物などの外的刺激から肌を守るバリア機能があります。 天然のクリームである皮脂膜にもそういった働きがあるのですが、皮膚の一番外側にある角質層は、わずか0.02mmほどの薄さしかなく大変デリケート。 そのため、外的からの刺激も受けやすく、さらにNMF成分や細胞間脂質が不足した状態になると、角質層の構造は崩れ、肌はカサついてしまいます。肌トラブルの負のスパイラル
そして、角質層の構造が崩れると、バリア機能は低下し、 その隙間から刺激物質や異物が進入しやすくなります。刺激物質や異物が侵入してくると、 皮膚(表皮)の免疫細胞は、カラダを守るために攻撃を始めます。 この攻撃こそが、肌表面に現れるカブレや炎症。また、こういった刺激物質や異物の侵入に対応するために、 表皮最下層の基底層では、どんどん新しい細胞をつくり角質層を修復しようとします。そのため、普通はほぼ28日間で行なわれる新陳代謝(ターンオーバー)の周期が、 急激に短くなってしまいます。 短期間で角質層へ押し上げられた細胞のため、構造も乱れやすく、さらに乾燥を加速させてしまうこともあります。
このようになると、角質層のバリア機能はさらに低下、 さらに新陳代謝(ターンオーバー)が乱れ 不完全な角質層を構成するという負のスパイラルに陥ってしまうこともあるので注意が必要です。
そこで次のページでは、敏感になる前から始めたい春のお手入れをご紹介します。