伊豆高原の桜並木(撮影:唯野)
「春よ、来い」/松任谷由実
2011年の紅白歌合戦でも歌われるなど、年代を超えて知られている曲なので、幅広い世代が出席する送別会の場ではぴったりでしょう。音域もさほど広くないので比較的歌いやすく、またさほど高い曲でもないので、男性でもキーを2~3下げれば十分に歌えるかと思います。歌詞とメロディに既に十分な説得力が備わっていますので、「上手く歌おう!」と身構えて歌うよりも、言葉の一音一音を丁寧に歌うほうが聴き手に素直に伝わります。また、Aメロの「淡き光立つ」「いとし面影の」等の箇所は、言葉数が多くて噛みやすいので、リズムに遅れないように滑舌よく、はっきりと歌うように心がけてください。
「YELL~エール~」/コブクロ
コブクロのデビュー曲でもあるこの曲は、ここ最近、先生が生徒を送り出す際に歌われる曲として、多くの学校で歌われているそうです。旅立つ「君」の背中を力強く押す歌詞が、全国の先生たちの共感を呼んでいるのかもしれません。カラオケで歌うときは、二人で歌ったほうが楽曲の良さが際立ちます。特に曲のラストは二人で交互に歌う構成になっているので、一人だとなかなか辛いかと思います。もっとも、二人とは言え必ずしもメインとハモリに分ける必要もなく、二人でメインを歌っても十分に良い歌唱になります。サビの「今、君は門出に立ってるんだ」は、やや熱く歌っても良いですね。
「secret base ~君がくれたもの~」/ZONE
転校による別れがテーマの曲なので、送別会の場で歌っても十分にしっくり来る歌詞かと思います。伴奏もノスタルジックなので、特に転校を経験された方にとっては、子供の頃の淡い「別れ」を喚起させる一曲なのではないでしょうか?実はこの曲、間奏が全くないので、最初から最後までずっと歌い続けることになります。したがって、途中で息切れしないようにキーはやや低めに設定することをお勧めします。物語調のわかりやすい歌詞ですので、淡々と丁寧に歌えば十分に曲の世界を表現できると思います。サビラスト「最高の思い出を…」は特に優しく歌ってください。
「ありがとう…感謝」/小金沢昇司
ジャンルは歌謡曲ですが、歌詞もメロディも非常にわかりやすいので、若い世代でも親しみやすい一曲です。送別会の場で、「ありがとう」をストレートに伝えるこの曲をセレクトすると、周囲から注目されること請け合いです。サビスタートのこの曲は、歌い出しから「ありがとう」「ありがとう」と続くので、まずは大きく伸びやかに歌ってください。伴奏が重厚なので、伴奏音に負けないように堂々と歌うのがポイントです。逆にAメロは、自分を述懐する歌詞が続きますので、訥々と語るように歌うとよいですね。サビとAメロのメリハリ加減をぜひ意識してみてください。
「歩いていこう」/いきものがかり
「YELL」「ありがとう」「SAKURA」など、実は旅立ちや感謝の曲の多いいきものがかり。この「歩いていこう」も、明日への一歩の「想い」が力強く伝わってくる一曲です。歌詞の情景描写が綿密なので、素直に歌うだけでも十分に世界観が伝わると思います。サビ前の「帰らないと決めたんだ」は決意のフレーズなので、真っ直ぐな視線で堂々と歌うとより説得力が出てきます。逆にサビの「歩いていこう」は、決心を終えた後の晴れやかな気持ちで明るく歌うと、サビ前との対比が際立つのでより印象深い歌唱になるはずです。