その上で、仕事のあたりをつける
開業当初、仕事は紹介で入ってきます。私も最初の仕事は紹介でした。そこで、開業を想定してどのくらい紹介をしてくれる人がいるか。つまり、協力者がいるかを冷静に考えてください。いきなり全国の行政書士と同じ土俵で勝負をして、お金をとれるほど甘くはないかもしれません。先輩行政書士は経験も信用もあります。頼れるのは自分の協力者です。
有望なのは、士業、とくに税理士の知り合い・友人です。税理士と仕事がぶつかることはあまりありません。だからこそ仕事を紹介してくれるのです。また、税理士は顧問契約などを通じて、地域に深い根をおろして仕事をしている人がほとんどです。強いつながりがあるところほど、しっかりとした仕事がくるものです。
他でいうならば、不動産業の知り合い・友人です。不動産業も地域に根ざして仕事をしています。人の接点があるほど仕事が生じます。一番の理想は、繁華街などのビル管理などをしている場合です。居ぬき物件ならば、図面の使いまわしもきいて……。それは高望みかもしれません。いずにせよ、地域に顔が利く人からの仕事は、しっかりとした仕事が多いように思います。
また、建設業の知り合い・友人も大切かもしれません。行政書士業務で一番仕事の環境が整っているのは建設業です。建設業と行政書士は深く関係してきました。仕事がきたとしても、書籍も豊富ですし、先輩方に頼れるというメリットもあります。失敗の可能性が低いのです。年一回決算報告が義務付けられており、仕事の数を読めるというのも大きなメリットです。
これらは一例ですが、仕事先の予定をつけることは重要です。他にも、相続ならば葬儀会社の友人・知人がいるかどうか、高齢者ならば介護関係の友人・知人がいるかどうか、などを冷静に考えて、実際にお会いすることが必要です。月並みのアドバイスではありますが、「開業したら紹介するよ」などの社交辞令はあてにしないほうがいいと思います。
行政書士ではなく仕事の中身をアピールすること
行政書士がどんなことができるか知らない人はとても多いのです。ですから、いくら行政書士に受かったということをアピールしても意味がありません。仕事の中身をアピールすることが大切です。より具体的に、そして、相手方に対してメリットを示すことが重要です。やはり仕事は需要と供給で成立するものです。そこに応えられるアピールを考えることはとても重要です。
友人知人に「受かりました。こんなことを具体的にやっていこうと思っている。費用はこれくらい」といったことを知らせて、反響をみるのもいいかも知れません。合格者に友好的な人達に連絡をして、その反響から開業を決断するのもいいかもしれません。
このような過程を経て、より具体的に事務所をどうするかなど開業準備に入るべきではないでしょうか。