はじめに

「行政書士試験に合格、つぎにすべきこと」を合格者の方からよく質問されます。そこで、今回はそのお話をしたいと思います。

まずは、冷静になること

「合格したからには開業したい」、当然の欲求です。合格によって気分が高揚するためか、自信過剰になる人もいらっしゃいます。しかし、まずは冷静になることが大切です。

試験に合格したことと行政書士として成功することは別です。合格により、法律家としての能力は証明されましたが、経営者としての能力が証明されたわけではありません。開業したからと言って、仕事が無条件で舞い込むわけではないのです。

合格後、つぎにすべきことは、まず冷静になり、客観的に物事を考えることだと思います。「勝って兜の緒を締めよ」ということでしょうか。

次は、夢を数えるのではなく、失うものを数えること

冷静になったら、開業によって「得られる可能性があるもの」という希望的観測を考えるのではなく、「失うもの」をまず考えることが大切だと思います。それを考えてから、「得られる可能性が極めて高いもの」と天秤にかけるべきです。

これは失敗しないコツだと思います。私は業務の依頼を受けるか迷うとき、この計算をするようにしています。業務に対して消極的だと批判を受けることも多いのですが、10年間、事件や訴訟沙汰に巻き込まれずに業務を続けられたのは、慎重に物事を判断してきたからです。

その視点で考えるならば、サラリーマンの方は、副業として行政書士をはじめたいところです。いきなり会社を辞めて開業は止めた方がいいと思います。失うものが多すぎるはずです。

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サラリーマンの方は、転職以上に、慎重にご決断ください。仕事がなければ無給です。

この視点で考えると、専業主婦の方は、それほど問題があるわけではありません。行政書士の魅力は、開業資金が安く50万程度であり(自宅開業の場合を想定)、登録後の会費は年間10万円程度で、仕入れがほとんどないことです(もっとも、私は、法律の知識を商品と考えて、書籍代などにかなりお金をかけています)。

このように、開業にあたって融資を受ける必要もなく、開業後に融資を受ける必要があまりないのです。つまり、事業に失敗して借金まみれになるということはありません。失敗に備えて業務保険に入るという方法で危険性を下げることもできます。リスクが小さいので、専業主婦は開業について前向きに考えていいと思います。

もしかしたら奥様はやり手の経営者かもしれません。奥様が行政書士として成功して、旦那様が会社を辞めてお手伝いをするパターンもあるようです。