はじめに

行政書士受験に際して、予備校を利用しない人は、本を使って勉強すると思います。しかし、憲法の本は、ちまたにあふれています。どの本を選べばいいのか迷う方も多いと思います。そこで、今回は、憲法の対策本についてお話をしたいと思います。

出題傾向から考える

憲法の本は、行政書士試験に合格するために使います。ですから、行政書士試験の傾向を確認しておきましょう。

法律系国家試験の憲法は、「人権判例、統治条文」というスローガンのもと、人権の分野は判例を中心に、統治の分野は条文の暗記を中心に勉強しなければいけません。これは、行政書士試験にもあてはまります。

つまり、人権の判例と統治の条文を効率よく勉強できる対策本が必要となります。

人権の判例の勉強

人権の判例の勉強の問題点は、判例の取捨選択(広さ)と判例理解の程度(深さ)です。つまり、どんな判例を、どこまで勉強すればよいか、問題となります。

まず、判例の取捨選択(広さ)ですが、各種国家試験で言われていることは、「判例百選に掲載されている判例を勉強すること」です。基本的に行政書士試験も同様に考えていいと思います。つまり、勉強しなければいけない判例は、百選掲載判例ということです。

次に、百選掲載判例をどこまで深く勉強すればよいのでしょうか。当然、百選を読めばいいではないかという答えが返ってくると思います。百選には信頼のおける学者・実務家の判例分析・解説が掲載されているからです。

しかし、判例百選は独学向きの教材ではないと私は思います。少なくとも、独学で行政書士を目指す法律初学者には解説が難しすぎます。詳細な判例分析・学説の紹介など、行政書士試験と無関係の記述が多すぎます。つまり、判例百選の判例解説は行政書士試験には深すぎるのです。

行政書士,基本書,憲法

憲法は300点中28点の出題割合です。それを頭に入れて勉強してください。

このように、百選は、判例の取捨選択(広さ)を知る上では有益ですが、判例の理解をするには不向きです。

そもそも、対策本(受験業界では学者の書いた教科書を基本書とも言います)の理想は、わかりやすいこと、分量が少ないこと、行政書士試験の試験範囲やレベルにあっていることです。

ただし、そのような基本書はこの世に存在しません。どこかで妥協点(ほどほどの広さと深さ)を見つけるしかないのです。これが基本書選びの難しさであり、だからこそ予備校が独自の教材を作成している大きな理由なのです。