食と健康/伝統食・粗食・素食

和食派が増加! 一方でごはん消費量減少の不思議(2ページ目)

無形文化遺産に登録された和食。しかし私たちは、和食とは何かを理解しているのでしょうか。ある調査によると、健康のために低カロリーな献立になる和食派が増えているとか。けれどもその内容は、ちょっと不可解なものでした。和食派の増加と、ごはん消費量のナゾに迫ります。

南 恵子

執筆者:南 恵子

NR・サプリメントアドバイザー / 食と健康ガイド


煮物、汁物は、調理時間がかかる?

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だしをひくのが面倒? おみそ汁が食卓にあがる頻度も減っています。

夕食の定番メニューの比較では、10年前と比べて煮物や汁物が減り、炒め物や焼き物が増えています。野菜を使ったメニューでも、「野菜の」煮物は減り「野菜サラダ」や「野菜炒め」等、短時間で調理できることが伺えます。

また特に若い世代に関しては、煮物等は麺つゆ等、煮物にも使える出し醤油なども多々出回っていますが、お味噌汁はだしをひかねばならないということが、ハードルが高いと感じるようです。

実は、野菜はまだ不足かも?

もう一つ気になる調査もありました。カゴメ株式会社による調査「2013愛菜調査」でも、全国の20~69歳の主婦(既婚女性:合計4,700名)を対象に、「家族の食生活と冬の野菜摂取に関する意識調査」を実施しました。

調査結果によると、全国主婦の6割は、1日に必要とされている野菜摂取量(350g以上)を摂取できておらず、2人に1人が野菜不足であることが分かりました。また、1日に必要な野菜摂取量を7割の主婦が知らず、正しく回答できたのは24.5%にとどまり、野菜摂取に関する知識不足と野菜摂取不足の実態が明らかになりました。

調査対象は同世代ですが、調査対象人数等も異なり、二つの調査を合わせてる見るのは問題もあるとは思いますが、国民健康栄養調査でも、野菜が70g程度不足している傾向は見られます。健康のために野菜はしっかり摂りたいと意識していても、なかなか実践するのは難しいのが現実なのでしょう。

サラダと煮物を比べると、煮物のように調理した方がかさが減ってたくさん食べられます。またサラダやマリネは、ドレッシングやマヨネーズなどを使うと、油分を意外に多く摂りがちです。サラダを食べてはいけないと言っているのではなく、偏らずに様々な調理をする方がよいということです。

野菜の一日の摂取量について、過去の記事「1日に野菜を350g食べた方がいいのはなぜ?」もご参考になさってください。

「和食」をもう一度見直してみよう

ガイドは、糖質制限ダイエットなどは、肥満が深刻な状態で、治療の一環として専門家のアドバイスの元で短期間するなど、ケースバイケースで考えるべきだと思っています。ごはんさえ抜けばダイエットやアンチエイジングによい、というような安易なやり方を長期間続けるのは、リバウンドもしやすく、体調等もくずしやすくなるのではないでしょうか。

私も働く主婦ですから、忙しく短時間で食事を作りたい気持ちはわかります。忙しい時期には、私はひじきの煮物や、煮豆などの煮物等は、常備菜としてたっぷり作り置きをします。数日続くのが嫌なら、小分けして冷凍したりしておきましょう。一品だけでも何かあると気が楽になるものです。また干し野菜なども活用すると、手早くお料理ができます。(参考/「残り物で簡単保存食! 常備したい薄切り干し野菜」)

健康のために「和食」を心がけようと考えている方は、ごはんを主食に、幅広い食材を食べる「一汁三菜」の献立のよさや、だしを効かせて低カロリーでも満足感をえられる和食の魅力を改めて見直してみていただければと思います。

健康的といわれる和食の献立やだしのよさについては、過去の記事などもご参考になさってください。

現代の食卓は「0.87汁2.37菜」?
ストレス解消に、こってりラーメンより鰹だしのススメ
高血圧でも大丈夫? 味噌汁と血圧の相関関係

ちなみに、だしを簡単に使うポイントは、次回の記事でご紹介しますので、ぜひお楽しみに。

参考
・日清オイリオ「生活科学情報ショートレポートNo.25」(日清オイリオグループ株式会社)
・2013愛菜調査(カゴメ株式会社)
家計調査年報平成24年(総務省統計局)
平成24年国民健康栄養調査の概要(厚生労働省)
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