三冠王獲得に向けて最高のスタートをきる
バレンティン選手は「トリプルクラウン(三冠王)とゴールドグラブ賞を狙うよ」と力強く宣言した。
「打った瞬間、手応えはあった。気分はグレート! リラックスしてコンパクトなスイングをした結果だよ」
バレンティンは悠然とダイヤモンドを一周した。楽天・戸村の真ん中外寄りの137キロストレートを振り抜き、左中間の芝生席に着弾した1号ソロ。昨年2月11日、バレンティンは初の実戦形式となる紅白戦で左翼越え3ランを放ち、レギュラーシーズンでは60本塁打まで突っ走ったが、「今年もそうなる(記録を残せる)といいね。ホームランの数はわからないけど、トリプルクラウン(三冠王)とゴールドグラブ賞を狙うよ」と力強く宣言した。
オフは米国での逮捕劇で世間をにぎわしたバレンティン。その逮捕騒動による調整遅れが心配されたが、沖縄・浦添キャンプは初日から参加した。体調管理にも気を使い、食事の際はビールや泡盛ではなくジンジャエールを口にしている。体の切れを増すために、左打ちでのティー打撃を取り入れるなど、地味な努力が今季初実戦での本塁打に結び付けた。
転向を目指す一塁手デビューも手堅く飾った。5回を守って打球処理は1度だけだったが、「緊張はなかった。(本職の)外野より200%以上集中して、次のプレーの準備をしないといけない」と気持ちを引き締めることも忘れない。
昨季までに376試合で122本塁打を記録しているバレンティンは、通算150本塁打まで残り28本。昨季は出場61試合目で28号を放っていて、同じペースならば437試合での到達となり、これは西武・カブレラの380試合、近鉄・ブライアントの424試合、阪神・バースの433試合に次いで4番目の早さとなる。
小川監督は、「初めての試合で本塁打も安打も出て(2打数2安打1打点、1四球)良かった。(一塁守備では)試合に入っていく姿勢がどうか心配していたが、見る限りでは真剣にやっていたね」と目を細めた。
「ケガをせず、シーズンへ向けて状態を上げていきたい」という主砲は、昨季のようなアーチ量産の再現を目論む。