行政書士試験/行政書士のキャリア・開業

資格取得後の独立体験記 第22回「新規事業への道」

新規事業を立ち上げるとなると、一般企業では、莫大な時間と費用がかかるはずです。大学院から戻ると、実務の世界は厳しさを増しており……。新規事業について検討することになりました。法律の世界の新規事業のお話です。

山本 直哉

執筆者:山本 直哉

行政書士ガイド

はじめに

大学院から戻ると、実務の世界は厳しさを増しており……。実務に戻る上で、新規事業について検討することになりました。

ちょっとした浦島太郎

大学院在学中も行政書士の仕事はしていました。しかし、修士論文が行き詰るにつれて、業務から遠ざかっていきました。そして、大学院を修了して、実務の世界に戻ってみると、状況が少し変わった印象を受けたのです。夢の世界から現実の世界へと戻った浦島太郎のような感覚です。

行政書士を取り巻く状況が深刻さを増している印象を強く感じました。なぜこのようなことになったのだろう。図らずも、自分の考えをまとめることになったのが、前回お話をした懸賞論文で執筆した論文です。

論文の要旨

なぜ行政書士を取り巻く環境は厳しくなっていくのか。

論文の要旨は、高度情報化社会に伴い、ネットの世界において情報の共有が容易になったこと。情報公開により政府から、過当競争によって行政書士から、専門家の商品である情報の流出がなされていること。その結果、総じて、専門職の商品である情報の価値が低下したこと。その上、行政サービスの向上により職員から丁寧な助言がもらえ、インターネットに氾濫する情報などを用いて、専門家に依頼せずに、本人申請が多くなったこと。これらが行政書士の仕事を減らし、過当競争をもたらしていると考えました。

価格競争か、新規事業か

このような状況を打破する方法は2つしか思い浮かびません。価格競争を行っていくか、新規事業を立ち上げるかです。

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法律の仕事は、独占ができないので、ブランド力が物を言います。

価格競争で争うには、比較的簡単な仕事、つまり定型的な仕事を選択して、事務員を雇い、大量に事務を処理するしかありません。薄利多売方式です。例えば、会社設立業務がこれにあてはまります。しかし、私には向いていません。自分のペースで仕事をすることを大切にしたいからです。

とすると、残された道は、新規事業の立ち上げしかありません。しかし、そんな簡単に新規事業などできるわけではありません。また考える日々が始まりました。

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