「六曜」と聞いても、とくに若い人はすぐにピンとこないかもしれませんが、「大安」「仏滅」「友引」などは知っているという人が多いでしょう。「六曜」(ろくよう、りくよう)とは、先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口の6つを表すものです。
冠婚葬祭などでは「六曜」による日柄を気にすることが多いものの、住宅の購入など不動産取引ではあまり気にしないという人も年々増えつつあるようです。しかし、縁起を担いで「契約や決済を大安の日にしたい」という要望が出されることも少なくありません。
それぞれにどのような意味があるのか、基本的な内容を知っておくようにしましょう。
【六曜の一般的な解釈】
□ 先勝…午前は吉、午後は凶
□ 友引…朝夕は吉、正午が凶
□ 先負…午前は凶、午後は吉
□ 仏滅…すべて凶
□ 大安…すべて吉
□ 赤口…正午は吉、前後は大凶、他は凶
六曜のルーツは14世紀ごろ(鎌倉時代末期)に大陸から伝来したものとされていますが、時代とともにそれぞれの名称や当てられる漢字が変化しているため、吉凶の判断にもさまざまな解釈が存在しています。
そのため人によって、あるいは行事や行為の内容によって、同じ六曜でも吉と凶を逆に捉える場合があるようです。
【六曜の読みかた】
□ 先勝…せんかち、せんしょう、さきかち、さきがち
□ 友引…ともびき、ゆういん
□ 先負…せんまけ、さきまけ、せんぶ、せんぷ
□ 仏滅…ぶつめつ
□ 大安…たいあん、だいあん
□ 赤口…しゃっこう、しゃっく、じゃっこう、じゃっく、せきぐち
六曜は先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口の順に繰り返されますが、旧暦の1月1日および7月1日が先勝、2月1日と8月1日が友引、3月1日と9月1日が先負、4月1日と10月1日が仏滅、5月1日と11月1日が大安、6月1日と12月1日が赤口のように決められています。
そのため旧暦の月末から月初にかけては、この順序が飛ぶことになるのです。
一般的な解釈に従えば、不動産の取引は大安だけでなく、先勝の午前、先負の午後などでも問題はありません。
しかし、残金決済のときは銀行とのやり取りだけでなく法務局への登記申請などにかかる時間も考えなければならないため、午前中に行なうことが多くなります。また、赤口は「火」や「血」を連想することから、建築にまつわる契約を避ける場合もあるでしょう。
お客様から要望が出される前に、不動産業者のほうから「契約(決済)は○月○日の大安の日にしましょう」と提案をすることも少なくありません。これは不動産業者が六曜による日柄を気にしているというよりも、大安のほうが関係者の都合を合わせやすいからです。
住宅の購入では、契約のときも決済のときも、売主と買主の双方が同席することが原則です。そのためにはどちらかが他の予定をキャンセルしたり仕事を休んだりしなければならないケースもあるのですが、「大安だから」というのはお互いに納得してもらいやすい理由となります。
最後の決断を迷っている買主に対して、そっと背中を押す効果もあるでしょうね。
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