1994年カラオケ恋愛ソングランキング
1. 恋しさと せつなさと 心強さと/篠原涼子with t.komuro2. 愛が生まれた日/藤谷美和子 大内義昭
3. 純愛ラプソディ/竹内まりや
4. IT'S ONLY LOVE/福山雅治
5. I LOVE YOU/尾崎豊
(調査期間:1994年4月1日~12月31日、通信カラオケDAMシリーズ調べ)
第1位の「恋しさと せつなさと 心強さと」は、言わずと知れた小室哲哉さんプロデュース曲の代表格で、この曲のリリースあたりから、音楽業界にいわゆる「TKブーム」が押し寄せることとなります。1990年代半ばの時期は、爆発的なカラオケブームと合い重なって、華原朋美さん、globeといったTKサウンドの楽曲が非常に良く歌われていたものです。
また、第5位の尾崎豊さんの「I LOVE YOU」を除いた4曲は全て、調査年である1994年に発売した曲であることから、新曲・流行曲をすぐさまカラオケで歌って楽しむユーザーが多かった時代と言えるかと思います。
2014年カラオケ恋愛ソングランキング
1. 恋するフォーチュンクッキー/AKB482. 小さな恋のうた/MONGOL800
3. Lovers Again/EXILE
4. 純恋歌/湘南乃風
5. 愛のうた/倖田來未
(調査期間:2014年1月1日~1月31日、通信カラオケDAMシリーズ調べ)
2013年の8月のリリース以後、カラオケ週間リクエストランキングで第1位を維持し続けているAKB48の「恋するフォーチュンクッキー」が、ここでも堂々の第1位に輝いています。歌いやすさ・親しみやすさともに十分で、「ヘビーローテーション」「フライングゲット」などと並ぶ、AKB48の代表曲とも言える一曲です。
また、1994年のランキング傾向とは異なり、2013年リリースの「恋するフォーチュンクッキー」を除く第2位~第5位までの曲は、全て2007年以前のリリース楽曲となっています。20年前のように、最新曲がすなわちカラオケ定番ソングとなる時代ではないということがわかるかと思います。
カラオケ定番ラブソングの傾向比較
1994年のランクイン曲は、「純愛ラプソディ」「IT'S ONLY LOVE」のように、しっとりと噛みしめるように歌うラブソングが多いのに対し、2014年のランクイン曲は、「小さな恋のうた」「純恋歌」のように、まっすぐに力強く歌い上げるラブソングが多い傾向にあります。ここ最近は、自分の世界に浸る曲よりも大勢で楽しめる曲のほうが、カラオケの選曲として「ウケる」と思われていることから、みんなで声を合わせて歌えるタイプのラブソングのほうが選ばれやすい傾向にあります。このあたり、カラオケの楽しみ方の変遷がそのままカラオケランキングに現れていると言えそうです。
共感系は大勢で、熱唱系は一人で
先にお話ししたとおり、自分の世界に浸るような歌い方は、大勢のカラオケの場ではなかなか共感を得られないものです。したがって、目を瞑って愛を語るように歌ったり、感情移入し過ぎて泣きながら歌ったりといった、周囲を置き去りにするような歌い方は、人前では避けた方がよいでしょう。とは言え、歌の世界にどっぷりと浸れる点もまた、カラオケの大きな魅力のひとつです。ですので、思い切り入り込んで歌うのであれば、一人カラオケの利用をお勧めします。以前、筆者の唯野が複数の大手カラオケチェーンの広報部から伺ったお話なのですが、どのチェーンもここ数年は、客層のおおよそ3組に1組が一人客なのだそうです。読者さんの中には「一人カラオケはさすがに抵抗がある…」と思う方もいるかもしれませんが、今では30%以上が一人カラオケのお客さんだと聞けば、敷居も随分低くなりませんか?
複数人カラオケの場ではみんなで共感できる前向きな曲を、一人カラオケの時は自分の世界に浸れるディープな曲を、というように、カラオケの場によって選曲を使い分けるのが、2014年流のラブソングの楽しみ方と言えるのかもしれません。