豆乳等によるアレルギーに注意換気
花粉症の人の中には、豆乳でアレルギー症状がでることがあり、注意が必要です。
豆乳は、原料の大豆に様々な栄養素、またイソフラボンやサポニンなどのフィトケミカルも含まれており、健康の分野でもその機能性が注目され、人気のある食品の一つです。
今回の注意喚起は、シラカンバ(シラカバとも呼ばれる)等の花粉症に関係があります。これから初夏頃までカバノキ科植物の開花時期となり、現代人は花粉症が増加傾向にあるためです。また、大豆アレルギーがおこる仕組みとは違うため、自分では食物アレルギーは関係ないと思っている人にアレルギー症状が出る事もあり、注意が必要です。
豆乳アレルギーの主な症状
国民生活センターでは、豆乳等により、皮膚や粘膜のかゆみ、赤み、腫れ、じんましん、呼吸困難等のアレルギー症状を発症したという相談が2008年度以降の約5 年間(2013年10月末)で15 件寄せられていたそうです。しかも、その相談の中には、豆腐など他の大豆加工食品ではアレルギー症状が出ないにもかかわらず、豆乳等を飲んだ時に発症したという事例もみられました。2つに分かれる食物アレルギーのタイプ
近年は、食物アレルギーの反応が起こる仕組みから2種類に分かれる考えられるようになっています。■クラス1 食物アレルギー
- 食物が消化管から吸収されてアレルギーを起こす
- 代表的な食物/卵や牛乳、小麦、そば、大豆などが代表的
- この場合は乳幼児期など未成熟な腸管膜や免疫力の低さによって発症することが多く、ソバ、エビ、カニなどの一部のアレルゲンを除くと成長とともに自然治癒する場合が多い
■クラス2 食物アレルギー
- シラカバなどの花粉中のアレルゲンタンパクを気道からの吸入したり、ラテックス (天然ゴム)タンパクの接触によりアレルギーが発症し、その状態で、それらと類似したタンパクを含む果実や野菜などを経口摂取した時に、身体はシラカバの花粉と勘違いをしてしまい(交差反応)、口腔粘膜で発症する
- この場合は、成長しても自然治癒はしない
- 花粉症にかかっている成人や、特に中高年の女性に多く見られる
- 口唇や口腔・咽頭粘膜がピリピリしたり、腫れるなどの症状がでます。引き続いて鼻炎、蕁麻疹、喘息、腹痛、下痢、嘔吐などの症状が出現することがあり、口腔アレルギー症候群(OAS)とも呼ばれる
国民生活センターによると、
豆乳による口腔アレルギー症候群については、症例の分析が行われ、
- 成人女性が発症するケースが多いこと
- 大部分の患者がカバノキ科(シラカンバ、ハンノキなど)の花粉症を有している
- 豆腐などの大豆加工食品は安全に食べられるケースもある
- 果物や野菜に対する口腔アレルギー症候群を合併するケースも多い