最初は舞い上がり、経験を積めば決めきれず!?
分譲マンションのモデルルームは、現地がまだ工事中の段階に別途仮設の建物を用意するケースがほとんどである。箱の大きさや現地との位置関係などプロジェクトごとに様々で、既存のオフィスビルに設営することもある。しかし、すべてのモデルルーム共通していることは、未だ見ぬ建物の理解促進と接客スペースから構成されている点。実際の内装を施したモデルルーム、カラーセレクトコーナー、建物模型、現地周辺や共用部のパネル(写真・CG)。商談に集中できるように、ファミリー向けでは子どもが遊べる場所も用意する。
はじめてのモデルルーム見学では、先進性に驚き、豪華な雰囲気にのまれてしまう人が多いのでは。2件3件と経験を重ねていくうちに、冷静になっていくものと思う。ところが、なかには見れば見るほどわからなくなった、どれもいい、ひとつに決められないという人もいる。希望物件を絞り込む過程において、ある程度の違いは理解できても決定的な判断材料が見つからないらしい。
他人の評価を参考に
インターネットの普及で「他人の評価」が手軽に閲覧できるようになった。分譲マンションも例に漏れず、物件名で検索すれば(かなりの確率で)上位表示される口コミサイトがある。新規プロジェクトが出ればすぐに掲示板が立ち上がる。大規模にもなると相当数の書き込みがある模様。ところが、ひとつひとつ見ていくと誹謗中傷に近いコメントも案外多い。商売敵との争い?のようなやりとりも見受けられ、読む側としてはいったい何が事実なのかわからなくなってしまう。もちろん、これは参考になる!という書き込みもあるが。
そこで推奨したいのが専門家の取材記事。話題のプロジェクトにもなれば売主側がマスコミ関係者を集めて発表会を開くことがあり、特徴を把握している可能性は高い。私個人も同様の立場。宣伝と思われそうだが、申し上げたいのはそうではない。「異なる視点を持ちましょう」ということ。セカンドオピニオン、第二の意見として参考にされてはいかがだろう。
「視点の違い」が知識につながる
オールアバウト「分譲マンションレポート」はまさにそれを趣旨としたコンテンツ。複数のガイドがそれぞれに見学した物件レポートの集まりだ。なかには同じ物件を異なるガイドが分析したりしているが、着眼点が微妙に異なり、そこがまた参考になる。女性ならではの視点。得意分野。見学の様子を時系列で紹介する人もいれば、印象に残ったポイントを抽出して取り上げていく人もいる。個人的には画像にも関心が向く。ひとつの現場でおそらく20回以上はシャッターを切ると思うのだが、そのなかからどれを選ぶかは、同業の人間として読んでいて興味深い。建物だけでなく、現地周辺のチェックポイントでさえも微妙に異なるときがある。
内容が物件の営業マンとダブっていることもあるだろう。が、売らんがためのトークと無意識にフィルターをかけてしまうことも、第三者の評価なら中立に聞けるのでは。不動産は同じものがひとつとして無い。したがって、多様な現場の経験がそのまま知識になる。蓄積には膨大な時間が必要だが、記事閲覧で多少なりともそれが省略できるとすれば、読むに値するはずだ。
関連ガイドサイト
分譲マンションレポート
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