冬ならではの絶景、樹氷が目の前に広がる御在所岳を訪ねてみませんか?
寒い冬が創り出す素敵な自然の風景の一つが樹氷。小さな木の枝に張り付いた氷がどんどん成長し、一面に広がった姿の美しさは感動的ですね。氷による自然の芸術ですので、東北地方など常に寒い所に行かないと見ることができないと思われがちですが、実は名古屋から電車・バスで移動できる所に樹氷をめいいっぱい楽しめる所があります。
その素敵な場所とは、御在所岳。ロープウェイで登った先には樹氷や氷瀑など、寒い冬からのプレゼントとなる美しい風景が待ち構えていますよ。
今回は訪れた人たちを夢の世界に誘う御在所岳の樹氷をご紹介します。
<目次>
- 名古屋から2時間足らずで、樹氷のある世界へ!
- 日本一の鉄塔があるロープウェイで、樹氷が広がる一面の銀世界へ!
- 巨大な氷のオブジェ、氷瀑も楽しめます
- 樹氷に包まれる夢のような風景に出会えるかも!
- 御在所岳の樹氷はいつ見られるのでしょう?どんな服装で行けば良い?
- 樹氷を見た後は、カレーうどんと温泉で暖まりましょう
- 御在所岳へのアクセス・駐車場情報
名古屋から2時間足らずで、樹氷のある世界へ!
御在所岳(ございしょだけ、Googleマップ)は、三重県の北部、菰野(こもの)町と滋賀県東近江市にまたがる位置にあります。三重県と滋賀県・岐阜県の境にそびえる標高1000m級の山が連なる鈴鹿山脈の中では3番目に標高が高い山(標高1212m)で、関西百名山、日本二百名山の一つにも数えられています。
冬の間、鈴鹿山脈の山々には日本海から琵琶湖を越えて吹く季節風が大量の雪をもたらします。この気候により氷の芸術である樹氷が誕生しました。
鈴鹿山脈の山々の中で、人が気軽に登ることができる山は御在所岳のみ。伊勢・志摩や熊野など温暖なイメージが強い三重県の中で唯一のスキー場があり、冬はスキーやスノーボードを楽しむ人たちで賑わいます。
ちなみに名古屋から御在所岳までは、電車やバスで1時間半から2時間程度の距離。湯の山温泉からはロープウェイに乗って御在所岳の山上まで行けますので、防寒対策をしっかり行えばウインタースポーツをされない観光客の方でも樹氷を堪能することができますよ。
日本一の鉄塔があるロープウェイで、樹氷が広がる一面の銀世界へ!
御在所岳へは、奈良時代に開湯したという長い歴史を誇る湯の山温泉まで足を運び、ここから御在所ロープウェイに乗って山上公園まで登ります。ロープウェイでは15分間の空中散歩が楽しめ、標高差780mを一気に駆け上がります。 ゴンドラから眼下を眺めると、四日市の街や伊勢湾が遠くに望めます。また山側を見上げると、急峻な崖が目の前に迫っていて、迫力の風景を楽しむことができます。崖には時折ニホンカモシカが現れることもありますよ。ちなみにこの御在所ロープウェイを支える鉄塔には、建設当時の世界一、今でも日本一の高さを誇る6号鉄塔があります。白亜の鉄塔の高さはなんと61m。鉄塔を通る時はドキドキします。 ロープウェイの山上公園駅から一歩外に出ると、そこに広がるのは一面の銀世界。ロープウェイの乗り場である湯の山温泉には雪が積もっていることは少ないので、まるで別世界に飛び込んだような錯覚にとらわれます。 そしてスキー場に向かう人たちと一緒に歩く雪道の横には、お目当ての樹氷が登場。手の届きそうな所で樹氷を間近で見ることができますよ。
巨大な氷のオブジェ、氷瀑も楽しめます
山上公園駅からゆるやかな下り坂の雪道を歩いていった先に子ども向けのそりゲレンデがあります。そりゲレンデの近くには巨大な氷のオブジェ、氷瀑(ひょうばく)が造られていて、多くの人の目を惹きつけます。 樹氷は自然の営みにより誕生しますが、この氷瀑は人の手により造り上げられたもの。高さは10mを超えることがあります。例年1月下旬から2月中旬頃に氷瀑が一番大きくなります。樹氷に包まれる夢のような風景に出会えるかも!
御在所岳の頂上は、ロープウェイの山上公園駅から観光リフトに乗った先にありますが、山上公園駅のある場所も小さな山になっており、この山の上の朝陽台(ちょうようだい)広場の周囲でも、数多くの樹氷を楽しむことができます。朝陽台広場に至る坂道では、道を覆う木々が樹氷に包まれてできる樹氷のトンネルができることがあります。まさに夢のような風景ですね。 朝陽台広場の周囲でもたくさんの樹氷が見られます。ロープウェイがナイター運転を行う時は、ここでイルミネーションが樹氷を照らす光景も見られるとのこと。
ここからは見通しが良ければ伊吹山、白山を始めとして北アルプス、中央アルプス、南アルプスの山々を遠くに見ることができます。 朝陽台広場の先には細い道があり、ここを進むと富士見岩展望台に行くことができます。
その名のとおり、御在所岳の富士見岩展望台からは見通しが良ければ富士山まで見ることができます。ガイドが訪れた時は遠くが霞んでいて残念ながら富士山は見えませんでしたが、眼下に広がる四日市の街と伊勢湾、中部国際空港(セントレア)が望め、まわりには美しい樹氷がキラキラと輝くシーンに遭遇できました。
眼下を見ると全く雪がないのに、まわりは一面の雪景色。このギャップが冬の御在所岳の魅力の一つでもありますね。
御在所岳の樹氷はいつ見られるのでしょう?どんな服装で行けば良い?
御在所岳の樹氷は、厳しい寒さと空気中の水蒸気、風という自然の営みがあって、初めて造り上げられるもの。そのため、真冬であっても毎日見られる訳ではなく、気温が氷点下にならない日が続くと氷が解けてなくなってしまうことがあります。その年の気候にもよりますが、例年だと12月後半から2月中が樹氷を見ることができる日が一番多くなります。冷え込みが厳しい時は3月を過ぎても見られるとのことです。
御在所ロープウェイのWebサイトで、気温と風の強さ、樹氷と氷瀑の状況を日々更新していますので出かける前に確認しておくことをお薦めします。御在所ロープウェイ 湯の山温泉駅の窓口にも、樹氷や氷瀑に関する最新の状況が掲示されますので参考にすると良いでしょう。
山上では雪と氷の中に身を委ねますので、服装はスキーやスノーボードに出かけるくらいの用意をしておけば安心です。靴もスノーブーツがあるといいですね。御在所ロープウェイのWebサイトにも注意書きがありますので、出発前に確認してみて下さい。
樹氷を見た後は、カレーうどんと温泉で暖まりましょう
素敵な美しい樹氷と氷瀑の風景を楽しんだ後は、どうしても身体が冷えてしまいますね。御在所岳の山上公園の中では、ロープウェイ山上公園駅に隣接したアルペンホール、すぐ近くの展望レストラン ナチュールで食事を取ることができます。伊勢うどんに角煮が入った御在所名物の「御在所カレーうどんセット」は人気メニューの一つ。これを食べて暖まりましょう。
また御在所ロープウェイの乗り場がある湯の山温泉には、温泉旅館や国民宿舎があり、一部では日帰り入浴も可能。温泉でのんびり暖まっていくのも良いですね。
美しい樹氷を堪能することができる御在所岳をご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか? 冬限定の素晴らしい風景を楽しみに、ぜひ御在所岳まで出かけてみて下さい。
御在所岳へのアクセス・駐車場情報
地図:Googleマップアクセス:
<鉄道>
・東海道新幹線 名古屋駅から、近鉄名古屋線で近鉄四日市へ。近鉄湯の山線に乗り換えて湯の山温泉駅下車。
三重交通バス 湯の山温泉・御在所ロープウェイ前行きに乗車して終点下車(2018年9月よりロープウェイ乗り場近くにバス停が移動しました)。
また名古屋駅に隣接する名鉄バスセンターと湯の山温泉・御在所ロープウェイ前を1時間強で結ぶ三重交通バスの高速バスも1日1~2便運行しています。
<車>
・新名神 菰野インターチェンジから湯の山温泉方面へ進み、案内に従って御在所ロープウェイ 湯の山温泉駅の前に到着します。
ロープウェイの駅前に駐車場はありますが、駐車場が満車になった場合は1時間以上待たされることもありますので、時間に余裕を持ってお出かけ下さい。
不安な場合は、駐車場がたくさんある近鉄四日市駅周辺に車を止めておき、近鉄とバスを使って移動するという方法も可能です。
【関連サイト】 ◇「冬の名所」に、「名所・旧跡」ガイドで冬に行きたい名所・旧跡を紹介した記事の一覧をまとめてあります。
◇「東海の名所」に、「名所・旧跡」ガイドで東海地方の名所・旧跡を紹介した記事の一覧をまとめてあります。