消費税増税、男性高齢者ほど賛成派が多い
白物家電は、増税前に買ったほうがお得?
男女別・年齢別に消費税率アップの賛否をみると、女性の場合は、年齢が高くなるほど、明らかに反対派の割合が増しています。これは、世間で一般的に言われていることなので、納得ができます。ところが意外なことに、男性の場合は、年齢が高くなるほど、賛成派の割合も増え、反対派に拮抗しています。国の財政状況や、将来に負担を先送りするのは良くないという大局的な視点からの回答なのでしょう。
消費税増税前に買っておきたいもの
次に消費税率アップ前に買っておきたいものについて、見ていきましょう。全体では、「日常使う食品や洗剤の買いだめ」16.5%、「家具や家電製品などの耐久消費財の購入」13.2%、「デジタル通信機器の購入」10.4%、「自動車の購入」7.4%、「ファッション衣料の購入」7.3%の順になっています。男女別・年齢別に見てみると、男女ともに共通して、若い年齢層ほど「ファッション衣料の購入」と「パソコンやスマートフォン、デジカメなどデジタル通信機器の購入」を挙げている割合が多くなっています。また、女性で特徴的なのは、家計の財布を預かる30・40代の場合、「日常使う食品や洗剤などの買いだめ」を挙げる人の割合が多く、「駆け込み購入」よりは「買いだめ購入」に関心があるようです。
■買いだめの効果は限定的、廃棄で損しないように注意
「家計調査」(平成24年)によると、一般的な家庭で、1か月の食費69,469円、日用品等、家具・家事用品10,484円となっています。食費69,469円といっても、その内訳をみると、保存の可能な油脂・調味料3,188円、飲料・酒類を合計すると7,213円で、買いだめできる食材料費は約1万円と見積もることができます。そう考えると、家事・家具用品と食材料費を合わせると約2万円。スペースのことを考えて3か月分を買いだめした場合、2万円×(消費税:8%-5%)×3か月=1,800円程度の節約にしか過ぎません。買いだめし過ぎて、廃棄処分ということになったら、節税以上に損をしてしまう可能性もあります。買いだめの効果は限定的なので、保管のきくもの、必ず使うものに限定して、購入を検討した方が良さそうです。
■若者に多い、ファッション衣料、電子機器の駆け込み購入は?
一方、若者に多い、ファッション衣料、電子機器類の駆け込み需要はどうでしょうか? 若い年齢層の女性は、消費税増税前にファッション衣料の購入を念頭に置いている人が多いようです。ただし、女性のファッションは流行ものが多く、バーゲンになると値段がかなり落ちる可能性があります。そう考えると、3%の増税のために駆け込み購入に走るよりも、じっくり欲しいものを選んで、バーゲンを目指して購入するという通常の購入パターンの方がお得な気がします。
同じ、衣料関係でも、ビジネス衣料で、流行に左右されない定番品で長く使えるものであれば、値段もそこそこ高く、消費税増税前に購入するのも選択肢の一つといえるでしょう。
また、電子機器の場合も、ファッションと同様に、モデルチェンジの頻度が高いものであれば、1シーズン待って購入する方が、消費税増税分を十分吸収できるので、お得と言えそうです。
■消費税増税前にお勧めの購入品は、長く使う定番のもの
消費税増税前に購入するかどうかの基準をまとめると、以下の通りです。
(1)多少、高額のもの
(2)長く使用するもの
(3)値崩れのしない定番品
3つの条件を満たすかどうかを十分に検討してから購入するとよいでしょう。もちろん、3つの条件に当てはまらなくても、消費増税前にガソリンを満タンにするなど、少しずつの積み重ねで、大きな効果はあります。その場合は、無駄遣いにならないように、必ず使うものという条件付きで、駆け込み購入をしてもよいでしょう。
買いだめについては、個人的にはあまりお勧めはしませんが、今までの使用実績と保存期間に基づいて、買いだめする量を見積もった上で、購入すると良いでしょう。買いだめをしても、「あるから安心」といって使いすぎたり、使用期限を過ぎて廃棄したりしないようにするなら、さらに良いですね。
>>消費増税後、家庭ではどう対策を練る?