住宅購入の費用・税金/確定申告・住宅ローン減税

住宅と確定申告 2014年3月版~改修のとき(4ページ目)

一定の耐震改修、バリアフリー改修、省エネ改修に該当するリフォームや増改築工事などをした場合には、通常の住宅ローン控除だけでなく、借入金がなくても所得税の還付が受けられる制度があります。これらの場合における確定申告について、手続きの概要を確認しておきましょう。

執筆者:平野 雅之


住宅の省エネ改修促進税制の確定申告

(特定増改築等住宅借入金等特別控除)

住宅における二酸化炭素排出量の削減を図るため、2008年の税制改正により「住宅の省エネ改修促進税制(住宅の省エネ改修工事等に係る住宅借入金等を有する場合の住宅借入金等特別控除の控除額に係る特例……特定増改築等住宅借入金等特別控除制度の一部として追加)」が創設されました。2013年度の税制改正により適用期限が5年間延長され、2017年12月31日までの措置となっています。

この特例は、一定の改修工事(省エネ改修を含む増改築工事など)を行なった場合に、5年間にわたって所得税の控除をするものです。制度の内容や適用要件などについては≪平成20年度住宅税制改正総まとめ≫の2ページをご参照ください。

また、通常の住宅ローン控除(増改築等)と「住宅の省エネ改修促進税制」の両方の要件を満たしていれば、いずれか有利なほうを選択することができます。

なお、2011年度の税制改正により、2011年6月30日以降に工事の契約をした場合で、国や自治体から補助金の交付を受けているときには、その補助金相当額を特例の計算対象金額から差し引くことになっています(下記の借入金がない場合も共通)。


【借入金がない場合】

上記の「住宅の省エネ改修促進税制」は、改修費用に充てるための借入金がある場合のもので、自己資金で省エネ改修工事を行なったときは対象外です。

このため2009年度の税制改正により、借入れがない場合でも所得税額の控除を受けられる制度が導入され、2013年度の税制改正で適用期間が5年間延長されました。

既存住宅において一定の省エネ改修工事(省エネリフォーム)を行ない、2009年4月1日から2017年12月31日までに居住を始めた場合には、所得税額の控除を受けることができます。

所得税から控除される金額は、実際に要した省エネ改修工事費用と、別途定められる標準的な工事費用相当額のうち、“いずれか少ないほうの金額”の10%です。ただし、対象とされる工事費用の上限は200万円(太陽光発電装置を設置する場合は300万円)ですから、所得税控除額の最大は20万円(または30万円)となります。

なお、こちらの制度ではその年の所得税で控除しきれなくても、残額を翌年に繰り越すことができません。

その他、制度の内容や適用要件などについては≪平成21年度住宅税制改正総まとめ その2≫をご参照ください。



用意する書類 (借入れがあるときの1年目の確定申告の場合)

  確定申告書【A】(第一表・第二表)
 
  「(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書」
 
  源泉徴収票
 
  住民票の写し
 
  「住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書」(借入れた金融機関などが発行する書類)
 
  増改築をした家屋の登記事項証明書
 
  省エネ改修工事等の証明書(増改築等工事証明書)
 
  工事請負契約書の写しなど、工事費用の額、工事年月日を明らかにする書類
 
  補助金等の額を明らかにする書類(国や自治体から補助金の交付を受けているとき)



page2 ≪住宅耐震改修特別控除
page3 ≪住宅のバリアフリー改修促進税制
page4 ≪住宅の省エネ改修促進税制≫


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