東京と横浜の間に住みたい
東横線「武蔵小杉」駅周辺は、今や坪300万円近い相場である。70平米超(程度22坪)のファミリータイプなら総額(物件価格)は6600万円に。川崎なら坪250万前後だから同5500万円。ただ、予算は4500万円に抑えたい。逆算すると坪当たり205万円。値上がり著しい武蔵小杉駅前のタワーマンションはどんな人たちが買っているのか。ある現場で聞いた話が印象的だ。「東京と横浜へそれぞれ勤務している共働き世帯が圧倒して多い」。その中間にあたるロケーションに、マイホーム需要の潜在することがよくわかった。
新子安はありか、なしか
「購入を検討しはじめたばかりで、新子安駅にはじめて降り立った。そして他物件を見てから再び来訪される、という方が多数いらっしゃいます」。そう話すのは『横浜新子安レジデンスギャラリー』所長の三瓶さん。同ギャラリーでは現在「ザ・パークハウス横浜新子安ガーデン」を販売している。総戸数497戸。地上10階、3棟構成の大規模マンションである。従前はプロサッカークラブの練習用グランド。「ザ・パークハウス横浜新子安ガーデン」は昨年末第1期分譲を行い、現在までに200戸前後を契約済。第1期ですでに来場者は約1200件。市外比率半分と郊外の割には広域化が特徴だ。隣駅の物件とも競合しない。評価されるポイントは多岐にわたるそうだが「みなさん共通しているのは、駅4分の利便性」(三瓶さん)。
郊外と聞いてイメージするのは、タクシーが数台待機する駅前ロータリー。店舗がその周りを取り囲んでいる。ケーキ屋さんがあって、お寿司屋がある。蕎麦屋があって、中華飯店がある。そこに青果売り場でもあれば、暮らしのイメージも自然と湧いてくるというものだ。しかし新子安駅前は、どちらかといえばその反対の雰囲気か。駅改札を出たら、コンビニエンスがひとつあるだけ。上方には産業道路が走っている。
だが、駅北側すぐの「オルト横浜」にはスーパー(「相鉄ローゼン」)、クリニック、ファミリーレストラン、カフェなどが入るちょっとしたモールが用意されていた。普段は十分事足りそうだ。現地は道路を渡ってすぐ。周辺は閑静な住宅街である。利便と好環境が共存する理想的な立地と捉えることもできるだろう。「川崎」「横浜」へはどちらも2駅。「川崎」駅周辺の相場と比較すれば2割近く安く買える。再来場比率が高い理由もわかる気がする。物件価格は平均で坪当たり210万円。70平米強が4500万円前後で手に入る計算である。
完成後、評価が高まるマンション
モデルルームを見た感想は「完成したら、さぞ評判の良い建物になるだろう」。巨大な建築物の出来上がりをリアルにイメージするのは容易ではない。ここは青田売りの物件を買う宿命と割り切って想像するしかない。具体的には、外周の緑道がひとつのポイントだ。敷地の南側に建物を寄せて立てるケースは多いが、この物件では周囲(南向き二辺)に緑を配した歩道を設けた。その幅員は歩道状空地部分を除いても6m以上確保され、歩行者目線レベルの景観は一変するだろう。空地提供の代わりに高さ制限の緩和を受けた。眺望価値が付加されていることを理解して、あらためて価格を見ればリーズナブルさは一段と深まるかもしれない。デベロップメント(不動産開発)の醍醐味を恒常的に味わえる1棟である。
もう1点、なるほどなあと思ったのは「フロントフォート」の7階より上を1列取り除いたこと。「ミッドフォート」に午後の光を届けるためだ。6階屋上は横浜方面の眺望を誰もが楽しめるスペース「スカイビューデッキ」として活用。さらに大規模板状型に見られる圧迫感の軽減にも一役買うだろう。ひとつのアイデアに複数のベネフィットを重ね合わせるところが豊富な実績の証ともいえる。
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