独立開業のビジネスモデル
マンション管理士が専業でやっていく場合の業務メニューとしては、大きく以下の3つに分類できます。1) 管理組合顧問業務
管理組合と顧問契約を締結し、組合の執行機関である理事会の運営をサポートし、相談に応じたり、適宜助言・指導することが主業務となります。
この業務は、基本的には1~2年程度の期間で契約を締結し、月額報酬制になることが多いでしょう。管理士にとっては安定した収益源となるため、最も獲得を重視すべき業務となります。
なお報酬の水準は、物件の規模等にもよりますが、月額3~10万円程度と考えられます。
2) コンサルティング業務
一般的に、管理会社はマンション分譲業者の子会社が選定されるケースが圧倒的に多く、その結果、管理委託費が割高なのが一般的です。
そこでマンション管理士が、適正な金額を査定し、管理会社との委託契約の見直しをサポートする業務の依頼も少なくありません。
この業務の報酬は、実際の削減額に応じた成功報酬型もあれば、固定報酬型もありますが、1件当たり30万円から100万円以上にまで及ぶこともあります。
3) 付帯収入
上記に加えて、管理組合からの相談等に対応する中で、必要な商品やサービスを紹介し、成約した場合、その提供業者から紹介料見合いの報酬を得られることもあります。
また、顧問やコンサルの実績が増え、知名度が上がれば、他の士業と同様、講演や本の出版などの依頼も期待できるでしょう。
独立開業の「損益分岐点」と「勝ち組のレベル」
おカネという現実に直視するのが、開業
では、「勝ち組」に入る成功者はどれくらい稼いでいるのでしょうか?独立後10年以上のキャリアを持つ某管理士は、20件の顧問先を持っています。それに加えてコンサル報酬も加わると、年収は2千万円前後と想定できます。
顧客がマンション管理組合であり、その「個人でも法人でもない特殊性」ゆえに、集客が難しい点に特徴があります。そのため、事業を軌道に乗せるには相応の時間がかかることについて、それなりの覚悟と、その間に生活を支えるための資金的な準備も必要です。
ただ、マンションストック数の増加に伴い、マンション管理士の社会的ニーズ・要請は確実に高まっていますから、資格の将来性自体は有望と言えるでしょう。