一人暮らしでは、いつ、いかなることが起きた場合も、自分自身で対処したり、その場ですぐに判断しなければならないシーンが多く生まれます。一人暮らしを始めてすぐは緊張感や危機感が高い人が多いですが、少し時間が経って慣れたころが要注意。それまで何も起こらなかったからといって、気を抜いていいわけではありません。
そこで今回は一人暮らしの先輩による防犯にまつわるトラブル体験談から、その対処法をご紹介します。ピンポーン! 頼んでいた宅急便かと思ったら…
約束のないチャイムにすぐ出てはいけないのは常識だけど…
「しまった!」と思ったけれど、あとの祭り。新聞の勧誘だったようですが、「要りません」とはっきり言い、ドアを閉めようとしているのにも関わらず、身体をねじこんできます。しばらく押し問答して、ようやく帰ってもらったときには、真冬だったにも関わらず、全身汗びっしょりでした。
■ポイント
一人暮らしの場合、約束もなく突然に訪ねてくる人というのも少ないもの。チャイムが鳴っても「予定外の来客であれば出ない」というのが防犯上の常識となってきていますが、このケースのように事前に約束があったりすると、ついうっかりドアを開けてしまったということもあることです。
でも、こんなときこそ油断大敵。必ずドアスコープで相手を確認し、まずはチェーンつけたまま対応しましょう。まだ新聞の勧誘だったからよかったようなものの、宅急便を装った押し入り強盗といった場合もあります。その場合は命の危険も。自分で玄関に設置できるドアモニターなどもあるので、テレビモニター付インターフォンが設置されていない人は検討してみてもいいでしょう。(参考記事:一人暮らしの防犯&防災に役立つスマホ活用術)
また、こういった訪問販売はインターフォン越しなどなら断れても、面と向かってしまうと、より断りにくくなってしまうことがあります。特に女性は自分より力が明らかにありそうな男性から強引に迫られると、「早く帰ってほしい」といった恐怖心から契約してしまうこともあるでしょう。とにかく一番大事なのは、簡単にドアを開けないこと。そして、いくら欲しいものであっても、突然の訪問販売で契約しないこと。一度言いなりに契約してしまうと、その後もターゲットとされてしまう場合もあります。
万が一契約してしまった場合も、クーリングオフという制度があることを覚えておきましょう。手続の方法などは以下のサイトに詳しく掲載されています。
参考サイト:クーリング・オフとは(東京くらしWEB)
SNSで親しくなった友達に会ってみたら…
一人暮らしに寂しさはつきもの。友達が欲しいのはわかるけれど…
約束したレストランで食事を終えると、「知り合いがこの近くでエステ店をやっているから行ってみよう」と誘われ、雑居ビルにあるお店に連れて行かれました。二人で1000円で受けられるという体験エステを受けたあと、着替えを済ませて部屋を出てみれば、一緒にいたはずの友達は姿を消しており、店員と自分の二人だけ。継続コースを強引に勧められ、「契約するまで帰さない」と言われ、不安でどうすることもできず、高額の契約書にサイン。とても払えないのだけど、どうしたらいいのでしょうか。その後、友達はSNSからいなくなっていました…。
■ポイント
これは一般的に『アポイントメントセールス』と呼ばれる方法です。以前は電話などで約束を取りつけることが多かったのですが、最近はSNSなどを通じ、親しくなってから誘われるため、ついうっかり信用してしまう人が増えています。また、最近は本名で検索できるSNSもあるため、遠い親戚や古い知人からSNSを通じて急に連絡あり、「知り合いだから」と会いに行ったら、モノを売りつけられそうになるケースもあるようです。
最初から疑ってかかるのは心苦しいものがありますが、自分の身を守るためには、SNSでの見知らぬ人からのコンタクトは何らかのビジネスであることを疑ってかかること。直接会ったことのない人とはSNS上でやりとりをしないといったスタンスを決めておくことも大切です。寂しさから友達や恋人を求めていることの多い一人暮らしは、特に要注意。異性から誘われて、恋愛を上手くいかせたいと思い、相手の勧める次々と高額な商品を買わされてしまうという『デート商法』という手口もあります。
何を言われようと契約しないのが一番なのですが、他に誰もいない場所に閉じ込められてしまうと、恐怖や早く帰りたい気持ちで契約してしまいがちです。よく知らない人から見ず知らずの事務所やお店などに誘われたときには絶対についていかないこと。万が一契約してしまった場合もクーリングオフが使える場合があります。消費生活センターに相談してみましょう。
次のページでは、洗濯物の干し方や、深夜帰宅時に気をつけたいことをお伝えします>>