NISSAN(日産)/日産の車種情報・試乗レビュー

新型スカイラインは日本市場で受け入れられるか!?

日本のクルマ好きにとっての特別な存在、それがスカイライン。その期待度の高さ故か、モデルチェンジの度に失望の声も聞かれるほど。今回のモデルチェンジもいろいろと議論を呼びそうではあるが、価格やボディサイズ、技術の先進性などを総合評価すれば、1968年当時の「箱スカ」と良い勝負だったりする。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

新型スカイラインはスカイラインにあらず?

スカイラインは日本のクルマ好きにとって最も気になる存在と言ってもよかろう。一方、モデルチェンジする度に「期待」しすぎた反動なのか「失望」の声が出る。なかでも『V35』と呼ばれる肥大化した先々代モデルの評判は酷かった。かくいうガイドも超強硬派でした。
新型スカイライン

本格的なラグジュアリーセダンというイメージの新型スカイライン

ただ冷静になって考えてみれば「箱スカ」と呼ばれる3代目モデルも、当時としちゃ非常に高価かつ、大きなクルマだった。そもそも普通の人からすれば自動車など高嶺の花。なかでもスカイラインは2リッターエンジンを搭載する豪華モデルである。1968年当時の平均年収、63万円です。

2000GTの新車価格は80万円。現在の平均年収410万円を考えると、550万円くらいに相当する。新型スカイラインの価格を見ると、486万3600円(推奨グレードのタイプP)。ボディサイズだって決して小さくないものの、フルサイズの日本車というほどじゃない。

とはいえ日産としても「スカイラインとしちゃ理解してもらえまい」と考えたのだろう。何と! フロント部分に付くエンブレムを「日産」でなく輸出仕様車と同じ「インフィニティ」にしてきたのだった。このエンブレム、1990年発売のインフィニティQ45以来。

だったらもはやスカイラインでなくインフィニティQ50という車名で売ったらいい。そのあたりが日産の「悩み」かもしれません。いずれにしろ新型スカイラインの価格やボディサイズ、技術の先進性など総合評価すれば、1968年当時の箱スカと良い勝負だったりする。

走りや安全性能的にはかなり魅力的

クルマの方はパワーユニットがフーガハイブリッドと共通。3.5リッター306馬力のV6エンジンと、68馬力のモーターを組み合わせ、7速ギアで駆動するというもの。システム最大出力は364馬力になっており、4.5リッター級エンジン搭載車と同等の動力性能を持つ。
エンブレム

フロントに付くのはインフィニティのエンブレム

クラウンHVのように燃費を追求したハイブリッドではなく、優れた性能をキープしながら燃費も考えました、といったイメージ(JC08燃費18.6km/L)。すでに先行試作車(アメリカ仕様)に試乗したが、必要にして十分以上の速さ。日本の道路事情だと使い切れないほど。

新世代のスカイラインの“売り”は電子制御の数々だ。一番の「凄いね!」が自動ブレーキ。現時点で日本勢最高性能となる「50km/hから自動停止」を実現してます(スバル・アイサイトVer2は30km/h)。50km/h以上の速度域であっても、完全停止こそ出来ないものの、フル制動を掛ける。

さらに斜め後方から接近してくる車両に対する警報や、後進時に左右方向から走ってくる車両や自転車などを感知する装置、さらに車線逸脱警報など、ボルボと同等の事故防止性能を持つ。といったことを総合して評価すると、案外魅力的なクルマだったりします。試乗次第、追加レポートを。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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