古地図ウォーキングで楽しむ“ブラ名古屋”(2ページ目)

●【コースA　～　西本願寺～東別院コース】

人気エリア・大須の南に伸びる仏壇通り

人気エリア・大須から南へ下るコース。にぎやかな大須の中心部を抜けて、門前町通りを南へ。この一帯は仏壇店がズラリと軒を連ねる“仏壇通り”。メインとなる門前町通だけでなく、裏通りへ入ってもそこかしこに仏壇店が見つかります。実は名古屋は全国有数の仏壇生産地。家康が尾張徳川家初代当主・義直と春姫の結婚祝いに木曽の山林をプレゼントし、その豊富な木材を使って木工、さらには仏壇作りが発達しました。このエリアの仏壇店は、そんな歴史的背景をもって伝統を築いてきたのです。

お寺や神社もいたるところに残っているのですが、特徴的なのは門までのアプローチが長い寺社が多いこと。昔は参道に露店も並んでいたのかも・・・と想像すると、江戸時代のにぎやかな光景が浮かんできます。境内を通り抜けできる寺社も多いので、抜け道を探しながら気の向くままに西へ東へ歩き回るのもいいでしょう。

キリシタンの博物館や鎌倉からの仏像が見ごたえある栄国寺

見ごたえがあったのが栄国寺。本堂横が「切支丹遺跡博物館」になっていて、木彫のザビエル像や踏み絵など、キリシタンゆかりの様々な資料が展示されています。お寺なのになぜ？と不思議に感じますが、尾張徳川家はキリシタンにも理解があり、幕府の命によってこの地で隠れキリシタンが処刑されたのを弔うために３代藩主・光友が建立したお寺なんです。
他にも、名古屋三大仏のひとつ「火伏せの弥陀」など平安～鎌倉時代の仏像や江戸初期の刺繍涅槃図など、非常に貴重な仏像や美術品を間近に見ることができます。

信長ゆかりの城跡もある
真宗大谷派別院最大の東別院

最後は東本願寺東別院、通称・東別院。寺が建てられる以前は、織田信長の父・信秀の居城・古渡城（ふるわたりじょう）だった場所で、境内の一画に碑が立てられています。

真宗大谷派の別院としては全国最大というだけあって、広々とした平地に大規模な本堂や山門が配置され開放感はいっぱい。毎月12日には露店が立ち並ぶ縁日も開かれます。




のんびり歩いても1時間ほどで地下鉄・東別院駅に到着。東別院から北上してももちろんいいですが、最初ににぎやかな大須を散策してからの方が、このエリアの渋い魅力がより実感できることでしょう。