左がモータードライブ付きNikonF2、右がモータードライブ付きNikonF3、そして手前がNikonDf。銀塩一眼レフのプロ用モデルに混じっても違和感ナシのデザインなのだ。
一眼レフの原点を見つめる
銀塩カメラ時代から、世界を舞台にシェア争いを続けている2大カメラメーカー。それがニコンとキヤノンです。どちらもプロ用カメラをラインナップに持ち、プロサービスを世界的に展開しています。ニコンのイメージは、新聞社写真部のロッカーに超望遠レンズも含め撮影機材一式がずらりと揃っている感じ。キヤノンは大型ストロボが大輪の花のように置かれた白ホリのスタジオで華やかなファッションモデルを撮影するカメラマンの手に握られているイメージ。ニコンは保守的でお堅いイメージがあるが、実はなかなか新しいもの好きで洒落っ気のあるメーカーです。例えば、始めてカメラにWi-Fi、GPS、プロジェクターを組み込んだのはニコンでした。遡ればレンズ交換式水中カメラを作ったり、気象庁に依頼されて全周魚眼レンズを作ったり、東京オリンピックのために超望遠1200mmレンズを作ったりとかなり先進的です。また、自社で1957年に発売していた「NikonSP」を復刻したり、50周年記念に「NikonF5」をチタンカラーにして旧ロゴを入れた限定モデルを作ったりと遊び心もあります。「Nikon Df」は写真を撮るという原点に立ち戻った真面目なフルサイズ一眼レフカメラなのですが、「NikonF4」以降に使われている現在の斜体のかかったロゴではなく、「NikonF3」以前の斜体なしのNikonロゴ採用され、銀塩時代のニコンプロ機を思わせる演出がなされています。動画機能を省き、液晶モニターを固定式にして軽量化を追求。フルサイズでボディ重量約765gを実現しました。さらに撮影に関する操作系は金属ダイヤルを採用して、電源OFFでもカメラ軍艦部を見るだけでシャッター速度やISO感度、露出補正量などが確認できます。センサーはあえて高画素の「D800」系ではなく、階調性重視の「D4」系を採用しています。また、今回初めてAFニッコール、AIニッコール、オートニッコールレンズの全てのニッコールレンズに開放測光で対応しました。これは往年のニコンユーザーには見逃せませんね。
軍艦部を上から見ると、往年の銀塩一眼レフを思わせる。シャッター速度ダイヤルは決して使いやすいとは言えないが、サブコマンドダイヤルでも設定できるので問題ない。
さすがに液晶モニター面はデジタル一眼レフカメラと同様である。ただし動画関係のボタンがないので、その分、シンプルかもしれない。
次のページでDfの機能について説明します