ダイビングを始める際に感じる疑問・不安で多いのが「からだ」や「健康」について。最近では中高年でダイビングを始める人も多く、体力に自信がなかったり、持病があったりで、不安を感じている人もいるようです。また、生理や妊娠といった女性特有の問題も。多くの人が感じがちな疑問・不安について、2回に分けて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
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健康に気をつけて、快適にダイビングを楽しみましょう!
 

妊娠中に潜ってもいいの? 赤ちゃんへの影響は?

子供ができたことに気がつかないような時期は、たとえ知らずに潜ってしまっても、そんなに心配はいりません。気に病んでふさぎこんでしまうほうがよほど問題です。

でも、妊娠したことがわかったら、ダイビングはしばらくの間お休みに。というのも、胎盤という部位は、赤ちゃんに酸素や栄養を与える重要なところで、細い血管が豊富にめぐらされています。妊娠が発覚した後、胎盤ができてからダイビングをした場合、この胎盤の血管内に窒素が入ってしまうことが問題にされています。気泡で血管が詰まってしまった場合、どんな影響が胎児に出るのか今のところわかっていません。今まで、明らかにダイビングの影響で奇形児が産まれたり、流産してしまったという報告例はほとんどありませんが、産まれてくる子供を第一に考えて、少しでも危険を伴うことは、妊娠中は避けるべきです。

現役ダイバーに復帰するのは、赤ちゃんが無事に産まれて、自分の体調も完全に戻ってきてからのお楽しみにしましょう。

生理中にダイビングしても平気?

生理中にダイビングをしても特に体への影響はありません。ただ傷みを伴うときや、腰が重く感じるときは、体を冷やしてしまうとますますひどくなってしまうことも。そんな場合は、真夏以外はドライスーツで潜ることで、外見を気にせず、体を冷やすことなく快適にダイビングができます。

しかし、生理痛の度合いや生理中の体調は個人差が大きいので、あまりにきつい日は無理して潜らないほうがいいと思います。特に、傷み止めの薬が手放せない人は要注意です。市販の鎮静剤の中にはダイビングに適さない成分が入っている薬もあります。どうしても薬を飲んで潜りたい、という場合は、ダイビングについて知識があるお医者さんに相談して、ダイビングに支障のない薬を処方してもらうようにすると安心です。

また、恥ずかしがらずに、インストラクターに今日は生理であるということを伝えておいたほうが何かと安心です。もし急に具合が悪くなってしまっても、迅速に対処してくれるはずです。

なお、長い日程で海外へダイビングに行くときなど、薬を飲んで生理日をずらすこともできます。専門のお医者さんに早めに相談して、服用するようにしましょう。

太っていてもダイビングはできますか?

太っていること自体はダイビングをする上で問題ありません。ただし、窒素は脂肪に溜まりやすいので、減圧症になる危険性が多少増えることになります。他の人より浅い水深、短い時間のダイビングを心がけるとより安全でしょう。

また、レンタル器材では、自分の体に合ったサイズが少ないこともあります。小さい器材やスーツを無理して着ると、体が締めつけられて気分が悪くなったり、体にミミズ腫れのような跡がついてしまったりと、ストレスの原因になりかねません。自分の体が標準サイズよりもはるかに大きい場合は、講習を受ける前に、自分の器材を揃えることをおすすめします。

なお、ダイビング中は陸上では使いにくい筋肉を使うので、効果的なシェイプアップが期待できます。適度な全身運動プラス、精神的に解放されてリラックスできるダイビングは、ヒーリング効果も抜群です。ダイビングを通じて、無理のない健康的なダイエットを心がけてみてはいかがでしょう。

体力に自信がないけれど、問題ない?

ダイビングは体力勝負のスポーツではなく、みんなで楽しみを共有するレジャー。体力がなくてもそんなに気にすることはありません。重い器材もバディ同士で助け合えば背負えますし、エントリーやエキジットのときも、インストラクターがサポートしてくれるはず。

ただし、「すごい運動不足」というのはちょっと気にかかります。日頃運動不足だと、筋力が弱っているため、水中で足がつりやすくなったりします。また、自力でエントリーポイントまで歩いて行かなければならない場合など、ちょっときついかもしれません。始める前にショップのインストラクターに「体力に自信がない」と自己申告しておくのもひとつの手です。

結論としては、せめて器材を背負って歩いたり、タンクを運べるくらいの基礎体力はつけておきたいものです。普段から体力をつけるように意識していれば、ダイビングの楽しみがより広がることでしょう。

冷え性ってダイビングに影響ありますか?

ダイビングは水の中という特殊な環境で行なうレジャー。夏場や水温が高い水中でも、30分、40分と潜っているうちに体は冷えてきます。それもそのはず、水中の熱伝導率は空気中の約25倍ともいわれ、体温は陸上にいるときに比べ、急速に奪われてしまうのです。

体が冷え切ってしまうと、ダイバーの判断力は低下したり、筋肉がつりやすくなったりと思わぬトラブルの原因になることが考えられます。こうした事態を避けるためには、TPOに合わせてスーツを使用することが大切です。冷え性の人は、真夏でも5mmのフルスーツを着用するなど、保温を心がけましょう。また、真夏を除いてはドライスーツを愛用するのも手です。インナーウエアも保温性の高いものを選び、使い捨てカイロを腰などに貼っておけば万全です。海から上がったら、温かいシャワーやお風呂でじっくり体を温めましょう。

なお一番冷えやすい指先を保護してくれるグローブも、生地の素材や厚さでかなり保温性が違うので、保温性の良いものを選ぶといいでしょう。

ダイビング中にトイレに行きたくなったら?

水中は陸上より体温の損失が早く(要するに冷える)、夏場や南の島などでは水分を取る量が多くなりますので、ダイビング中にトイレに行きたくなることはよくあることです。でも我慢は禁物。トイレを我慢すると、女性の場合、膀胱炎になりやすいので、極力我慢しないようにしましょう。潜る前には必ずトイレに行く習慣をつけておくといいでしょう。

なお、潜っている最中でも、ウエットスーツを着ているときなら、水中でそのまましてしまっても平気です。初めはちょっと抵抗があるかもしれませんが、慣れれば自然にできるようになります。気になるならグループの一番後ろ、もしくは、潮の流れの下手で用を足すようにすれば安心です。

しかし、完全防水のドライスーツの場合はそうもいきません。トイレが近いのが心配で、紙おむつを使っている人もいるようですが、ドライスーツはウエットスーツに比べ保温性に優れているため、潜る直前とエキジットした直後にトイレに行くようにすれば問題ないのではないでしょうか。

よく「ダイビング中にトイレに行きたくなったら困るから」と、ダイビング前に水分を取らないようにしている人がいますが、これは減圧症のリスクを高めるのでNGです。しっかりと水分を取るという前提で、トイレ対策を練っておきましょう。
⇒スキューバダイビング中にトイレに行きたくなったら?

髪の毛を傷めないためには?

海水そのものが髪に悪いわけではないのですが、塩が髪についたまま太陽にさらされると、日焼けによる脱色、枝毛や切れ毛が増える原因になります。

これらを防ぐためには、海から上がったらすぐに真水のシャワーを浴びて、髪についた塩を流すことと、1日のダイビングが終わったら、必ずシャンプーとリンスでケアをしましょう。また、帽子やフードをかぶって直射日光から髪を守ることです。ボートダイビングの場合でシャワーがないようなら、ペットボトルに真水を入れて持っていくといいでしょう。

髪の長い人は、マスクなどに髪の毛が絡まるのを防ぐよう、髪を小分けに結わいて潜ることをおすすめします。

次回に続く



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