はじめに
社会人大学院生2年目、最終学年。講師の仕事、行政書士の仕事もある中、研究は行き詰まりをみせ、大変なことに……。進まぬ研究、ついに研究テーマを…
協議離婚の不条理に悩み、解決策として、婚姻前に夫婦財産について取り決めをする夫婦財産契約に望みをかけました。その夫婦財産契約を研究テーマとして入学した私ですが、先行研究の存在、研究の実効性、私自身の能力という問題に阻まれて、研究が進みません。春が過ぎ、夏が過ぎました。行政書士、講師、子育て。気を抜くと、研究が進みません。仕事も家庭も子育てもある社会人大学院生は、どれかを野蛮に押しのけないと研究を進められません。
行き詰った私はついに、研究テーマの変更を考え始めます。他の方法によって、協議離婚の問題解決を試みようというのです。そうせざるを得ないくらい、追い詰められていたのです。
体調変調。帯状疱疹。
研究テーマを変更したからと言って研究がうまく行くわけではありません。協議離婚制度は深い問題を抱えているのです。瞬く間に夏が過ぎ、秋を迎えます。その頃だったと思うのですが、首筋あたりがピリピリと痛みだします。おかしいと思い病院へいきました。
「心身のストレスや病気後の免疫力が低下したときに発病するのですが、思い当たることはありますか」と医者に言われ、私は頷くだけでした。帯状疱疹でした。精神だけではありません。体も悲鳴を上げていたのです。
発表、大失敗
勉強は「できるようになること」、研究は「新しいものを見つけること」。大きな違いです。
しかし、初歩的なミスがあり、散々な発表をしてしまいました。
発表後、研究室にお伺いして指導教授に厳しく叱られました。学校の先生にあれほど怒られたことはありません。
「まともな論文などできるはずもない」と思い、研究室からの帰り道、自主退学するかどうか真剣に悩みました。
私が、20代で社会人経験のない大学院生だったら、次の日に退学していたと思います。しかし、良くも悪くも大人になるとタフになります。
社会人ならば、内容は酷くとも形にしなければならないという使命に駆られるようになりました。社会人は潔さで解決してはならない問題もあるはずです。そう思い、その後は、勉強につぐ勉強を続けました。
司法試験に受かった友人が言っていた、「ストレスを忘れるくらい勉強をする」という方法です。