学校ランキングの偏差値表があてにならなくなってきている

近年、個性あふれる入試問題を作成する学校が増えてきています。

近年、個性あふれる入試問題を作成する学校が増えてきています。

最近、特に中学受験において学校ランキングの偏差値があてにならなくなってきている事実をご存じでしょうか。ひと昔前は模擬試験の偏差値で、入試の合否結果をかなり正確に予測できました。

例えば10月以降の模擬試験で偏差値58を取っていれば、偏差値ランキングで58ポイント以下の学校の入試で不合格になることはまずありませんでした。なぜならランキング表の偏差値はその学校を受験した80%以上が合格した生徒たちの平均偏差値だからです。だから受験生は模試で偏差値を1ポイントでも上げることに必死でした。

ところが今は偏差値において合否の幅が大きくなり、ランキング表に掲載されている志望校の偏差値を超える偏差値の成績を取っていても、不合格になってしまうことが多くなっています。もちろんその逆もあり、志望校の偏差値に届かなくても合格する受験生も増えています。


模擬試験と中学入試問題の出題内容のギャップが広がっている

なぜ、学校ランキングの偏差値があてにならなくなってきているのか。じつは模擬試験と中学入試問題の出題内容のギャップが広がっているからです。模擬試験は受験生の学力をできるだけ公平に判定するために、個性を出さない平均的な問題で作成されています。どこか特定の学校の入試問題に合わせることなく、「できるだけたくさんの学校の入試問題に合う」ように作成されているのです。逆に言えば「どこの学校の入試問題にも似ていない」問題となっています。

さらに近年、個性あふれる入試問題を作成する学校が増えてきています。従来の「知識偏重型」入試から、「柔軟な思考力と客観的な論理力」、そして「記述力」を試すというのが中学入試のトレンドです。


個性的な入試問題を学校が増えている

たとえば2013年の麻布中の理科の入試ではこんな問題が出されて話題になりました。

「99年後に誕生する予定のネコ型ロボット『ドラえもん』。この「ドラえもん」が優れた技術で作られていても、生物として認められることはありません。それはなぜですか。理由を答えなさい。」
(2013年 麻布中入試 理科)

選択問題ではなく、記述問題です。個性的な問題といえば、武蔵中の「おみやげ問題」が昔から有名です。2013年は3色のケーブルが入った袋を渡されて考察する問題でした。

「袋の中に、黒、白、灰色のケーブルが1本ずつ入っています。それぞれのケーブルの端を持っていろいろな向きに振ったり、いろいろな向きに曲げたりしてみなさい。それぞれのケーブルの曲がり方の特徴と、そのような特徴を持つ理由として考えられることを、他のケーブルと比べながら書きなさい。図を書いてもかまいません。
(試験が終わったらケーブルは袋に入れて持ち帰りなさい)
(2013年 武蔵中入試 理科)


記述問題を出す学校が増えている

先の麻布中や武蔵中の入試問題は特に個性的な出題といえますが、記述問題を増やしているのは私立中入試の全体的な傾向です。模擬試験でも記述問題が出題されますが、実際の入試の記述問題に比べればボリュームは少ないです。また記述問題は各学校によって個性が出やすく、模擬試験と入試のギャップが大きくなります。記述問題が中心の学校は模擬試験の偏差値でその学校の検査値を5ポイント程度超えていても不合格になるケースが多くなっています。


入試問題傾向の変化が激しくなってきている

各私立中学の学校改革の一環として、入試の出題傾向を大きく変える学校が増えているのも、偏差値があてにならなくなってきた理由のひとつです。たとえば日本女子大学附属中の入試は「出題傾向が定まらないのが出題傾向」ですが、国語はかなりの長文が毎年出されていました。2013年は「長文」の上をいく「超長文」が出され、過去問で充分に対策をしてきた受験生の度肝を抜きました。このように毎年、出題に大きな変化を出す学校が増えてきたのも、模擬試験の偏差値で合否を予測しにくくなってきている要因です。

さて、いかがでしたでしょうか。偏差値で合否判定を予測しにくくなってきているのは事実ですが、その一方でオーソドックスな問題で構成された模擬試験の問題が解けなくても合格しやすくなってきたというわけではありません。大切なのは基本を大切にすることと、その基本的な知識を使って、考えを広げる習慣をつけることです。単純に「暗記」するだけではなく、「考えてみること」を忘れないでくださいね。
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