盆栽/盆栽の育て方の基本

盆栽鉢の選び方とは? 見どころや特徴があり、植物にも優しい!

盆栽を自分で手作りするとしたら、何が必要でしょうか。ハサミや針金などの道具類や主役の苗木、植え付ける土そして盆栽鉢を買い揃えるところからはじまります。今回は盆栽づくりに適した鉢の基礎知識をご紹介! ぜひ参考にしてみてください。

山田 香織

執筆者:山田 香織

盆栽ガイド

培養のための鉢

盆栽鉢の選び方

盆栽鉢の選び方

皆さんは、鉢というと土色の「駄温鉢(だおんばち)」、つまり素焼きの茶色の鉢を思い浮かべる方も多いことでしょう。
 
やきしめ

焼き締めの鉢

駄温鉢は陶器自体に空洞が多く、空気を含みやすいので、植物の根にとっては通気性が良く、冬はあたたかく夏は涼しい鉢と言え、若木を早く大きくしたり、株を殖やしたり、弱った木を養生する場合などに向いています。

一方で見た目が質素ですから、観賞用とは言えません。特に盆栽では、盆=鉢という意味で、盆栽の観賞価値の3分の1は担う様な存在。絵画でいう額縁のような存在ですから、主役の植物を引き立てるような色や形の鉢を選びます。

さて、実際に見どころや特徴があり、植物にやさしい鉢とはどんな鉢でしょうか。まずは上の写真のように、焼き締め(釉薬を上からかけない、素焼きのもの)の鉢があります。
 
古典的なデザインの鉢

古典的なデザインの鉢

右の写真は典型的な古典的なデザインの盆栽鉢です。手前の丸い鉢と左奥の長方形の鉢が、焼き締めの鉢。右奥は楕円形で青い釉薬が表面にかけられた、ルリという色の鉢です。昔からこういった形の鉢で盆栽は楽しまれてきました。

では、初心者の方が鉢を選ぶ場合にはどのような鉢が向くのでしょうか。
 

初心者におすすめの鉢

手のひらサイズ

片手のひらにのるサイズ

こちらの鉢のように、「深さが5センチ以上あって、表面に釉薬がかかっていて見どころがあり、鉢の内側には釉薬がかかっていない鉢」という答え方になります。

ポイントは内側にべったり釉薬がかかっていないところです。内側にまで釉薬がかかっていると、鉢の通気性が悪くなり、根の成長が悪くなるからです。また、かならず、排水口の開いている鉢を選ぶようにしましょう。
 
底面の釉薬

鉢の底面にまで釉薬がかかっています

念の為、内側にも釉薬がかかっている、あまり望ましくない鉢はこちらです。排水口の底面まで釉薬がかかっているのがわかりますね。

また、基本的には「陶器製」を使いましょう。ガラス製や石の粉を固めて焼成する磁器製の鉢は鉢自体の通気性がありませんので、根の成長によくありません。植物にとって住み心地の良い鉢を選びましょう。

「深さが5センチ以上あって、表面に釉薬がかかっていて見どころがあり、鉢の内側には釉薬がかかっていない鉢」というはじめの一鉢に向く基本はあるもの、さまざまな色や形の鉢も多くあります。

 
さまざま

色や形はさまざま

青、赤、ピンク、黄色、緑、白、紫……。
色(釉薬の色)は数十とありますし、形も丸味のあるもの、四角いもの、筒状のものなど様々です。植える植物との大きさのバランスを考えて、自分の洋服選びを楽しむように盆栽の鉢選びも楽しんでくださいね。とはいえ、はじめは白や黒、茶色系など無難な色の鉢から試してみましょう。
 
モダン鉢

モダンな形の鉢

左奥の鉢のように、二つの鉢が一体となったような形の変わり鉢もありますし、白や赤といった原色の鉢は形がシンプルであればモダンな印象を与えます。渋い盆栽やモダンな盆栽、女性らしい雰囲気の盆栽など鉢で印象はガラリと変えられます。

こうした盆栽鉢はインターネットショップや盆栽専門店で購入できますので、お店探しからはじめてみてくださいね。
 
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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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