行政書士試験/試験対策・勉強本の選び方

行政書士試験 民法の試験対策本の紹介(2ページ目)

行政書士受験に際して、予備校を利用しない人は、本を使って勉強すると思います。民法は分量も多く、学者の本の多さも群を抜いています。そこで、今回は、行政書士試験における民法の本についてお話をしたいと思います。

山本 直哉

執筆者:山本 直哉

行政書士ガイド


予備校テキストと併用するお勧めの参考書

参考書のお勧めは、有斐閣Sシリーズです(民法総則民法物権民法債権総論民法債権各論民法親族相続)。簡潔な表現で、民法全体を説明してくれます。大学の法学部で利用されている最も基本的な教科書です。初学者のために、単元ごとに、重要性を星印で示してくれてもいます。難点としては、理由付けが足りないと思うのですが、あの分量では仕方ないと思います。

さらに分量の少ない本をお望みであれば、潮見佳男先生の入門民法(全)がいいと思います。最近、特に評価が高い本です。

これでも難しいという方、行政書士試験用の予備校テキストも難しいという方は、司法試験予備校が出している民法の入門書を読んでみるのもいいかもしれません。少ない分量で民法の考え方をおおまかに説明してくれています。

なお、民法を学習するための古典的名著をご紹介いたします。我妻栄「民法案内」特に、我妻栄「民法1」「民法2」「民法3」です。これは、現代民法の礎をつくりあげた我妻栄博士による入門書と教科書です。Sシリーズ、入門民法(全)が合わない方は、手に取ってみるのもいいかもしれません。

二年目以降の人は、司法試験の択一試験用教材

試験を受けて、民法の知識が圧倒的に不足していると感じた方。まずは、試験問題で問われている知識が、お使いにテキストに掲載されているか確認しましょう。暗記不足ではありませんか。

そうでなく、知識不足を感じるのであれば、司法試験予備校が出している司法試験用の教材を利用するのがいいかもしれません。ただ、司法試験の限られた分野が出題されています。

あえて言うのであれば、司法試験の択一試験用教材において、図表などによってまとめが作成されている基本的論点ということでしょうか。そこを重点的に勉強するべきでしょう。

民法の調べ物の最終手段の本 

理解できない制度や条文は誰しもあるでしょう。何としても理解したいが、手持ちの書籍ではらちが明かない。そんな方、最終手段があります。注釈民法です。

注釈民法は、古いものが多いのですが、民法研究の到達点の一つです。最新判例などを除けば、ここに載っていない知識はおそらく試験には出ないのではないしょう。言うなれば、民法の百科事典のようなものです。その分野における日本を代表する研究者が、逐条ごとに解説を加えている書籍です。

行政書士受験生が逐一参照するものではありません。大学や大きな図書館に置いてあります。あくまで最終手段です。そういう書籍があるということは知っておいて損はないと思います。

最後に

基本書を利用する独学よりも予備校を利用する方が有益です。予備校講師としてその点はご指摘させて頂きます。

なお、私は、予備校に所属しており、記述の公平性を保つため、予備校の出版物についての具体的な言及、及び、ご紹介は自粛しました。ご了承ください。
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