年末年始の過ごし方が影響? 様々なお正月太りの原因
この季節気になるお正月太りの原因とは
お正月太りの状態を具体的に見てみると、実際に体内の脂肪量が増加していることが一因であると考えられますが、それ以外にも塩分や糖質、アルコールの過剰摂取による身体のむくみ、大腸内に溜まったガスによるお腹のはりなどの複合的な原因が考えられます。まずはぞれぞれの原因についてみていきましょう。
カロリーの摂り過ぎによるお正月太り
動物は糖質・脂質・たんぱく質という3大栄養素をエネルギーとして摂取しますが、これらの摂取が過剰になると中性脂肪となり、脂肪細胞に貯蔵されます。一方、基礎代謝や運動量の増加、食物摂取量の低下などが起こると脂肪をエネルギーとして利用するため、脂肪の分解が発生します。脂肪の分解は体内で常に行われるようになっているため、定期的な運動や摂取カロリーの総数に気を使うことで体脂肪量を減らすことが可能になります。お正月といえばおせち料理を食べることが多いと思いますが、様々な種類の食材が一度に食べられるため、つい食べ過ぎてしまうことが余剰カロリーの増大の原因になると考えられます。また、団欒を楽しむなどしてどうしても普段より運動量が減ってしまい消費カロリーが少なくなる傾向もあるでしょう。
塩分・糖質・アルコール……
お正月に身体がむくんでしまう主な原因
お正月太りの状態として、身体がむくんだように感じるというものもありますが、こちらの主な原因は塩分と糖質、アルコールの過剰摂取だと考えられます。お正月料理の主役とも言えるおせち料理ですが、もともとはお正月に火を使わないことで火の神である荒神(こうじん)を鎮める、という平安後期にできた伝統のため加熱せずに保存ができる塩分を豊富に使ったものが中心になっています。身体のむくみの原因として、まずこの塩分が挙げられます。塩分が過剰に取り込まれると、体内の塩分濃度を調整するために喉の渇きを覚え、多量の水分を摂取します。こうして体内に取り入れた多量の水分がむくみの原因となります。
「日本人の食事摂取基準(2010年版)」によると日本人の成人に勧められる1日あたりの塩分摂取目安は男性で9グラム、女性で7.5グラム未満とされています。ところが、平均的な日本人の塩分摂取量は今日では1日あたり12グラム程度ということがわかっています。通常の食生活でもすでに目安量を超えているわけですから、お正月時の塩分摂取量がかなり多くなることは予想にかたくありません。
こうした場合、カリウムを多く含む食材を多く食べることで塩分の体外への排出が促進されます。主にほうれん草やアボガド、抹茶などがカリウムを多く含んでいますので、お正月の食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
また、お正月といえばおせち料理以外にもお餅が欠かせない存在と言えます。お餅はご飯と比較して粉上になっているため分解が早いため、腹持ちが悪く食べ過ぎてしまいやすいと考えられます。また、お餅とご飯の同じ重量あたりのカロリーを比較するとお餅の方がかなり高いことが分かっています。
これは、お餅は作られる過程で水分が蒸発し減少するため、水分を含むご飯と比較して実質量が多いためです。このことから考えるとお餅は食べ過ぎてしまいやすいうえに、ご飯と同じ食べごたえなのにカロリーが高いと言えるでしょう。
また糖質が体内にエネルギーとして取り込まれるとき、摂取した糖質のおよそ3倍程度の水分が必要とされますので、おせち料理の塩分とあいまってむくみが発生しやすくなる可能性が高くなると考えられます。
さらにはお正月といえばアルコールの摂取量も普段と比較してかなり増える方が多いのではないでしょうか。アルコールが体内に取り込まれると肝臓で分解されアセトアルデヒドになるのですが、過剰に摂取されたアルコールは血液に溶け込みます。この時、体液バランスを調整しアルコールを希釈するため身体が水分を欲することで過剰に水分が貯留された状態になります。
通常アルコールによる利尿作用が働き水分を体外に排出するようになるのですが、3時間程度アルコールを摂取していると抗利尿ホルモンの働きが活発になることがわかっています。こうなると体内に水分が留まってしまい、むくみが発生する原因となるのです。