債券への投資は低コストのインデックス運用が有利
低コストが魅力のETFを使って債券投資!
債券に期待できるリターンは株式よりも小さい分、株式以上に債券への投資ではコストの差がリターンの差に直結しやすくなります。基本的に保有コストの高いアクティブファンドは不利。インデックスファンドを利用するのが得策といえます。さらにETFを利用すれば、非上場のインデックファンドよりもさらに低コストでの運用が可能です。
国内に上場している債券ファンドはこの3本
債券に投資できるETFはというと、国内では3本が上場しているのみ(2013年12月時点)。株式ETFにくらべると随分少ないのが現状ですが、日本を除く先進国の債券に投資するタイプ、新興国の債券に投資するタイプ、アジアの国々の債券に投資するタイプ、と種類はそれぞれ分かれています。それぞれの特徴についてご説明しましょう。■<1677>上場インデックスファンド海外債券毎月分配
日本を除く先進国の国債市場に幅広く分散投資するETF。シティグループ世界国債インデックス(除く日本、円ベース)に連動します。信託報酬は0.2625%(税込)程度で、多くの非上場インデックスファンドの約半分のコストで保有できます。ただし最低購入代金がかなり高額(2013年12月16日時点で524,000円)なのが難点。少額で投資するなら非上場の同類ファンドの中でも信託報酬が年率0.399%(税込)と安い、ニッセイ外国債券インデックスファンド(ニッセイアセット)などがおすすめです。
■<1566>上場インデックスファンド新興国債券
世界の新興国債券に幅広く投資するETFで、円換算したバークレイズ自国通貨建て新興市場国債・10%国キャップ・インデックスに連動します。この指数は、単一国への投資集中を制限しつつ、新興国の債券及び通貨の値動きを表します。こちらの現在の最低購入代金は6万円程。信託報酬は0.4725%(税込)程度です。信託報酬は非上場の同類ファンドの安いもので0.63%(税込)程度なので、やはり低コストといえます。
■<1349>ABF汎アジア債券インデックス・ファンド
アジアの8つの国・地域の市場、中国、香港、インドネシア、韓国、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイの政府および準政府機関が発行する現地通貨建て国債および公債を主な投資対象とするETF。Markit iBoxxABF汎アジア指数に連動します。信託報酬は0.18%(運用報酬:0.13%+信託報酬:0.05%)という安さです。アジア地域にウェイトを置きたいというときに便利。現在の最低購入代金は1万2000円程度となっています。
ポートフォリオの組入れのポイント
債券の値動きは株式より安定的といっても、新興国債券は先進国債券よりもリスクは高くなります。世界的に株価が値下がりする局面などでは、リスク回避の動きから株式と同様に新興国債券が大きく売られることも。よってポートフォリオのクッション役として組み入れるなら先進国債券をメインにし、分散投資の範囲を広げる目的で一部に新興国債券を組入れるといった活用がおすすめです。【関連記事】
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